「スキューバダイビング」のデビューをするシニア層が増加中!

※百計オンラインの過去記事(2019/05/29公開)より転載

政府が打ち出す「人生100年時代」構想。もはや「人生80年」どころか100年も生きる時代となると、定年後にも元気に人生を謳歌するための趣味づくりなどが重要になってくるでしょう。そんな中、最近シニア層のアクティビティとしてひそかに注目を集めているのがスキューバダイビングなのです。

ダイバーに占めるシニア層が増えているわけ

サンゴ礁きらめく海を悠々と泳ぐスキューバダイビングは、若者のレジャーと思われがちです。そんなスキューバダイビングにチャレンジするシニア層が増えている要因はいくつか考えられます。

まずは、もともとのダイビング愛好者層が年月の移り変わりとともに中高年にさしかかっていることです。日本でダイビングが第一次ブームを迎えたのは、バブル全盛期の1980年代後半です。1989年の映画「彼女が水着にきがえたら」(監督:馬場康夫)は、サザンオールスターズの楽曲をBGMに原田知世と織田裕二が主演しました。日本中をスキーブームに巻き込んだ「私をスキーに連れてって」に引き続き、同世代の若者にスキューバダイビングの魅力を伝えました。
当時、映画に魅せられてダイビングのライセンス講習を受ける人が急増し、高価なダイビングの器材が飛ぶように売れたといいます。
それから約30年が経過しました。当時、こぞって海に潜った20代の若者は今や50代となっています。

もう一点は、ダイビングはある程度、余暇とお金がある層しか楽しめないレジャーであるということです。ダイビングのライセンス講習の相場は5~8万円台といわれています。さらに、海のきれいな沖縄や海外でダイビングしようとすると、往復の飛行機代に現地の宿泊費、ダイビング費用がかかります。国内でも10万円台、海外ならさらにかかるでしょう。

内閣府の「子ども・若者白書(平成30年版)」によると、25~34歳の非正規雇用率は25.9%です。少子高齢化に伴う労働力人口の減少でここ数年改善してはいるものの、若者層の約4分の1が収入の不安定な非正規雇用という現実の中では、なかなかお金がかかるマリンスポーツを楽しもうという気運も高まらないのかもしれません。一方で、順調に職業人生を全うし、退職金や年金で余裕のあるシニア層であれば、年に数回趣味のダイビングを楽しむ旅に出かける時間的余裕や資金もあるでしょう。
こういった理由から、ダイバーに占めるシニア層の割が増加していると考えられます。

シニア層がダイビングを楽しむなら

では実際、シニア層でもダイビングは楽しめるのでしょうか。
ダイビングは酸素ボンベや機材を装備し、浮力を利用しますので、陸上のスポーツに比べて身体への負担が軽いとされています。とくに、中高年は腰や膝の痛みを訴える人が多くいますが、海中であれば痛みを感じることは少ないのです。また、動きもゆったりしていますので、反射神経が衰えたシニア層でも無理なく楽しむことができます。

ただ、持病を抱えている場合などは、医師に相談の上で楽しむべきでしょう。特に、高血圧や糖尿病、心臓発作や脳卒中の病歴がある人、コレステロール値が高い人などは要注意です。
ちょっとしたことでも、陸上と海中では勝手が違うことがあります。自身の体力は過信せず、無理をしないことがシニア層のダイビングの鉄則です。したがって、初心者はインストラクターによるマンツーマンでのサポートを受けることをおすすめします。

自由に時間を使えるシニア層ならば、ダイビングのライセンス取得もおすすめです。初級となる「オープン・ウォーター・ダイバー(Cカード)」なら、数日で取得可能です。ダイビングのライセンスは世界共通なので、取得すれば旅先で潜ることもできます。また、マリンスポーツは男女問わず楽しめる趣味となりますので、夫婦で挑戦すればますます楽しみが広がるでしょう。

アクティブシニア向けのビジネスチャンス到来

スキューバダイビングのように、既成のサービスでもある程度経済的余裕のあるシニア層向けに展開できるサービスは少なくありません。高齢化社会が進展する中、アクティブシニア向けのビジネスチャンスは思わぬところに転がっている可能性があるのです。

著者

株式会社ボルテックス 100年企業戦略研究所

1社でも多くの100年企業を創出するために。
ボルテックスのシンクタンク『100年企業戦略研究所』は、長寿企業の事業継続性に関する
調査・分析をはじめ、「東京」の強みやその将来性について独自の研究を続けています。

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