TOKYO 街COLORS VORTのある街-外苑前編-

新国立競技場をはじめ、外苑前エリアは野球場やラグビー場、体育館などが集まる「スポーツの聖地」。一方でアートやファッションへの感度も高く、大企業のビルも点在します。大規模再開発が進む今、多彩な人々が集まる外苑前の賑わいを体感しに出かけましょう。

豊かな緑に歓声が響く日本のスポーツの聖地

青山通り(国道246号線)の青山2丁目交差点から延びる約300mの「神宮外苑いちょう並木」。夏は涼しげな緑、秋は黄金色に輝く美しい景観は外苑前エリアを象徴するランドマークとして有名です。この並木道の先に広がるのが「明治神宮外苑」。1926(大正15)年に青山練兵場跡地に完成した洋風庭園で、中心となる「聖徳記念絵画館」には明治天皇の事蹟を描いた絵画80点が展示されています。また、同時期に竣工した「明治神宮野球場」はその後東京ヤクルトスワローズのホームグラウンドとして使用されるほか、東京六大学野球や社会人野球など多くのアマチュア野球の試合が行われ、ファンに愛されています。

ロケ地で有名な「いちょう並木」、歴史に触れる「聖徳記念絵画館」、「神宮球場」は東の野球の聖地、黄葉の「ロイヤルガーデンカフェ青山」

さらに戦後、スポーツが大衆に浸透し始めるとラグビー日本選手権やトップリーグなどの試合が行われる「秩父宮ラグビー場」、バレーボールや卓球など屋内競技の国際大会も開催される「東京体育館」が設立されました。心身の鍛錬、文化芸術の普及を目的として造成された神宮外苑にはテニスコートやゴルフ練習場、アイススケート場なども加わります。

そして、1958(昭和33)年には「国立競技場」が完成。この競技場が1964(昭和39)年の東京オリンピックのメインスタジアムになったことで、外苑前はスポーツの聖地として国内外に知られるようになったのです。

毎年8月には100万人の見物客を集める「神宮外苑花火大会」、秋には約180万人が来場する「いちょう祭り」が催されるなど、大人も子どもも楽しめる都心の憩いの場でもあります。

47都道府県の木材を使った「新国立競技場」

オフィスとアートが共存する洗練された街並み

東京メトロ外苑前駅をはじめ、JR千駄ケ谷駅・信濃町駅、都営地下鉄青山一丁目駅・国立競技場駅と複数の駅が利用可能な外苑前エリア。利便性の高さに加え、西に表参道・原宿、東は赤坂に隣接し、六本木も徒歩圏内という都内有数の商業地に囲まれた立地条件の良さから企業の進出も目立ちます。

伊藤忠商事の東京本社ビルは外苑前駅のすぐそば。飲食店やアートギャラリー「伊藤忠青山アートスクエア」が入る商業施設「Itochu Garden」も隣設しています。2017年に新社屋がオープンして話題になったのはエイベックスです。各フロアにテーマを設け細部までこだわった地上18階建てのビルは2019年度のグッドデザイン賞を受賞しました。ほかにも2020年1月にショールームをリニューアルオープンした本田技研工業や日本オラクルなど大手企業の本社が点在しています。

一方で、神宮外苑の西側にあたる神宮前や千駄ヶ谷は文教地区に指定され、大通りから一歩入れば閑静な住宅街が広がっています。その街並みに溶け込んでいるのが能楽の専門公演場「国立能楽堂」や日本将棋連盟の本部がある「東京・将棋会館」。また、デザイナーのコシノジュンコ氏が「キラー通り」と名づけた外苑西通りにはアパレルやインテリアのショップのほか、現代美術を中心に展示する「ワタリウム美術館」や複数のギャラリーが点在。流行に敏感で文化芸術を大切にするこのエリアには、今も明治神宮外苑の理念が息づいています。

オシャレな人たちが集う洗練された街だけに良質な飲食店も数多くありますが、これから春になればオープンテラスのある店がおすすめ。いちょう並木に面した「ロイヤルガーデンカフェ青山」「キハチ 青山本店」、ホットケーキが人気の「銀座ウエスト 青山ガーデン」などで一息ついてはいかがでしょうか。

神宮外苑の景色が変わる15年におよぶ大規模再開発

1964年の東京オリンピックから半世紀余り。再び東京にオリンピック・パラリンピックが招致されたことを機に、老朽化が進んでいた国立競技場が建て替えられました。2019年末に完成した新しい国立競技場は建築家・隈研吾氏らによる設計で最大6万人収容。「杜のスタジアム」をコンセプトに国産の木材をふんだんに使用し、周囲の緑と見事に調和しています。

こうした動きを踏まえて、神宮外苑一帯では再開発計画が進められています。明治神宮、日本スポーツ振興センター、三井不動産、伊藤忠商事の4者によるもので明治神宮野球場と第二球場、秩父宮ラグビー場が解体され、新たな野球場やラグビー場、ホテルなどを建設。青山通りに面する伊藤忠商事本社ビルも建て替え予定です。先駆けて、2019年11月には「三井ガーデンホテル 神宮外苑の杜プレミア」がオープン。神宮外苑の緑や新国立競技場の眺望が楽しめると評判です。すべて完了するのは2035年頃という大規模な再開発ですが、外苑前駅北側の景色は大きく変化することでしょう。

オフィス・商業施設や住宅の開発も行われています。東京オリンピック1964の際に報道陣の宿舎として建設、のちに分譲マンションとなった外苑ハウスの跡地には2020年、地上23階地下1階建てのマンション「THE COURT 神宮外苑」が竣工。明治公園に面し、その奥には新国立競技場が構える絶好のロケーションです。かつて外苑前エリアの象徴として愛されてきたファッションビル・青山ベルコモンズの跡地にはオフィス、ホテル、商業ゾーンからなる地上20階地下2階建ての「the ARGYLE aoyama」も2020年に開業。また、都営青山北町アパートも老朽化に伴う建て替えを開始。「ののあおやま」と称された街区に賃貸住宅やサービス付き高齢者向け住宅、店舗などが入る地上25階地下1階建ての高層ビルが竣工しました。

さらなる進化が楽しみな外苑前エリアを、「VORT」から眺めてみませんか。

外苑前エリア
外苑前エリアのVORTシリーズ

著者

株式会社ボルテックス 100年企業戦略研究所

1社でも多くの100年企業を創出するために。
ボルテックスのシンクタンク『100年企業戦略研究所』は、長寿企業の事業継続性に関する
調査・分析をはじめ、「東京」の強みやその将来性について独自の研究を続けています。

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