社員がうつ病になった時、会社がやるべきこととは

※百計オンラインの過去記事(2018/09/19公開)より転載

社員一人ひとりの働きやすさを整えることは、経営者として第一優先で行っていかなければならない業務です。在籍している社員の満足度を向上させることで生産性を向上させ、会社を強くしていくことができます。また、新たな人材の採用という局面でも大きな役割を果たしてくれます。

しかし逆を言えば、社員一人に何かしらのトラブルがあっただけで、会社全体が大きなダメージを負うということでもあります。近年、世間を賑わせる社員のトラブルの一つとして挙げられるのが、うつ病の問題です。そこで今回は、社員がうつ病と診断されてしまった時、会社としてやるべきことについて解説します。

うつ病になる人が増加中

近年、うつ病と診断される社員の数は増加傾向にあります。残業や人間関係、業務の激しさなどが主な原因ではありますが、平成24年時点でメンタルヘルスの不調により連続1か月以上休職または退職した労働者がいる事業所の割合は全国で8.1%にも及ぶと言われています。もちろんこれらは世に出ている数字であり、世に出ていない数字や間もなく出てくるであろう数字を含めれば、さらに高い数値が出てしまうことでしょう。それぐらい、うつ病の問題というのは深刻であり、かつ身近な存在なのです。「うちに限って…」が通用しないということを忘れてはいけません。

うつ病患者が出た際に会社がやらなければいけないこと

万が一、会社からうつ病患者が出てしまった場合、会社としてはすぐに対応を進めなければなりません。

まずはうつ病と疑われる社員がいた場合で、まだ医師の診断書がない場合は、すぐに医師の診察を受けさせるようにしましょう。そうすることで、症状の悪化を防ぎ、治療を開始できるのはもちろんのこと、場合によってはそれが本当にうつ病なのかの裏を取ることができます。これを行わなければ、場合によっては「うつ病なのに無理矢理働かせた」と言って責任を追及されてしまうことにもなるでしょう。

その上で、休業が必要だという診断を受けた場合は、しっかりと休職制度の説明を従業員に行い、自らの意志で選択させることが大切です。その際、期間や給与、仕事の引き継ぎなどに関しても漏れなく確認しておきます。ここを雑に行ってしまうと、従業員との間に不必要な溝を作ってしまうことにもなりかねません。

そして最後に、会社の労働環境のチェックをしましょう。うつ病というのは必ずしも仕事のストレスだけで発生するものではありません。プライベートでのストレスが、たまたま仕事をきっかけとして爆発してしまうこともあるものです。だからこそ、会社の労働環境に不備はなかったかをしっかりと確認し、改善できる点があるのであればすぐに動き出しましょう。

うつ病患者が出た際に絶対にやってはいけないこと

もしもうつ病患者が出てしまった場合に、絶対にやってはいけないことが2つあります。

1つは、医師の診断書が出ているのに働かせることです。会社の状況や引き継ぎの必要性などで、ほんの短期間でも働いて欲しいと思うことはあると思います。しかし、そこで我慢ができないと、後々訴えられたり、労災として認定される可能性があります。まずは治療に専念できる環境を作ってあげることが、会社として一番に果たさなければならない使命なのです。

2つ目は、うつ病を原因とした言動を理由に解雇をすることです。会社としては、うつ病で会社に来れなくなった社員を「戦力にならない」という理由で解雇したいと思うかもしれません。しかし、うつ病の原因が会社にあると見なされた場合には「不当解雇」と判断される可能性があります。

「腫れ物に触るように」というと少々語弊があるかもしれませんが、万が一うつ病やその疑いのある社員が出てしまった時には、それぐらい慎重にその人に向き合うことが重要です。
その時にどのように対応できたかで、残っている社員のモチベーションにも大きな影響を及ぼすはずです。

 

著者

株式会社ボルテックス 100年企業戦略研究所

1社でも多くの100年企業を創出するために。
ボルテックスのシンクタンク『100年企業戦略研究所』は、長寿企業の事業継続性に関する
調査・分析をはじめ、「東京」の強みやその将来性について独自の研究を続けています。

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