「ダイバーシティー化」は今や必須!インバウンド需要へも対応できる外国人社員の採用
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※百計オンラインの過去記事(2018/07/17公開)より転載
企業経営において「ダイバーシティー化」の必要性が叫ばれて久しいです。「ダイバーシティー化」とは「人材や働き方の多様化」を指し、とりわけ国際化が進む昨今、外国人人材の活用に注目が集まっています。日本企業の外国人社員採用の現状についておさらいしてみましょう。
年々増え続けている外国人労働者
厚生労働省の調べによると、2017年10月末の時点で、日本で働く外国人労働者は127万8,670人に達し、外国人雇用状況の届出義務化以来、過去最高を更新しました。国籍別で見ると、最も多いのが中国(香港などを含む)で、外国人労働者全体の29.1%に達しています。次いでベトナムが18.8%、フィリピンが11.5%と続きます。
同じく、2017年10月末の時点では、外国人労働者を雇用する事業所は19万4,595ヵ所と、こちらも過去最高を記録しました。業種別で見ると、「製造業」が22.2%を占め、次いで「卸売業、小売業」が17.1%、 「宿泊業、飲食サービス業」が14.3%、「建設業」が8.6%となっています。また、事業所規模別に見ると、「30 人未満」規模の事業所が最も多く全体の57.5%を占め、次いで「30~99人」規模の事業所が18.6%に達しています。つまり、日本で働く外国人の75%超が、100人未満の中小企業を就職先として選んでいることになるのです。
海外進出にもインバウンド需要にも対応可能
このように外国人労働者が増え続けていますが、外国人社員を採用するメリットとは何でしょうか。まず、挙げられるのは、事業のグローバル化に有効なことです。現在、企業が成長するにあたっては、シュリンクしていく国内市場だけでなく、今後ますます拡大する海外市場を見据えなければなりません。ただ、「海外市場への進出には、英語が得意な日本人を採用すればいいじゃないか」との声も聞かれます。
しかし、海外への販路拡大のためには、言葉の壁だけではなく、取引先との商慣習のちがいもクリアする必要があるのです。そのため、相手国の商習慣を熟知している外国人社員は、海外進出の即戦力となります。また、訪日外国人旅行者数が1,000万人を超えた2013年以降、「インバウンド需要」がビジネスのキーワードとなっています。
それに伴って、訪日外国人観光客市場におけるマーケティングの重要性も高まってきました。外国人社員は、自身と同じく日本に関心のある顧客へのアプローチ方法について、日本人社員では思いつかない斬新なアイデアを提供してくれることでしょう。
人材確保や職場環境の活性化にも有効
外国人社員を採用するメリットは、営利面だけではなく、ほかにも人材の確保の面で発揮されます。少子化が進む現在、日本人社員だけでは若く優秀な人材を確保するのが難しくなってきているのです。また、日本人の若者は大企業への就職やデスクワークを志向する傾向にあり、とりわけ中小企業や製造業、建築業などでは人材不足問題が深刻です。
そこで、外国人社員を採用することで、常に若く優秀な人材を一定数確保できるのです。場合によっては、日本人社員を採用するより、人件費を抑えられることにもなるでしょう。また、外国人社員の採用は、職場環境の活性化にもつながります。意識やモチベーションが高い外国人社員が職場にいることがさまざまな刺激となり、社員全体の仕事への取り組み方や考え方のマンネリ化を防ぐことが可能です。
マネジメント層も、日本人社員と外国人社員を部下にもつことで、マネジメント・スキル向上のチャンスに恵まれることでしょう。
不安要素に応じて選べる外国人求人サービス
外国人の採用は「事業のグローバル化」「優秀な若手人材の確保」「職場環境の活性化」など、さまざまなメリットがあります。しかし、多くの経営者たち、とりわけ中小企業の経営者たちは、言葉の壁や就労ビザなど労務管理の複雑さなどのデメリットに目がいって、外国人社員の採用に二の足を踏んでしまうケースもあるでしょう。そんなときにオススメなのが、外国人採用に特化した求人サービスの活用です。
もし言葉の壁に不安があれば、「Career Cross」や「JIKOPY」などを活用すればいいでしょう。ともに日本語習得済みのバイリンガル人材の紹介に長けた求人サイトなので、英語が話せない社員が多い職場の求人には最適です。
外国人の正社員採用は、労務管理上、まだまだハードルが高い場合、「gooojob」や「NINJA」などがオススメです。正社員だけではなく、契約社員や就労ビザ取得が可能な派遣社員、アルバイトの求人など、幅広く外国人採用のサポートをしてくれます。
ほかにも、海外からの留学生に来日してもらい、数週間から数ヵ月ほどの短期のインターンシップを体験させる「海外インターンシップ支援プログラム」なども存在します。このように外国人の採用に特化したサポートを活用して、自社の「ダイバーシティー化」を達成してみましょう。
著者
株式会社ボルテックス 100年企業戦略研究所
1社でも多くの100年企業を創出するために。
ボルテックスのシンクタンク『100年企業戦略研究所』は、長寿企業の事業継続性に関する調査・分析をはじめ、「東京」の強みやその将来性について独自の研究を続けています。