日本一高いビルは?2024年ランキングと歴代高層ビル、東京の再開発を紹介

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記事公開日:2019/04/25    最終更新日:2024/01/17

日本一高いビル。この巨大な建造物は建築技術の進歩を象徴し、都市のシンボルとして人々を引き付けます。また、その高さはただの数字を超えて我々を魅了し続けます。
最新の日本の高層ビルランキングとその歴史、東京で進む再開発の魅力を紹介します。

2023年6月、日本一高いビルが虎ノ門・麻布台エリアに登場!

麻布台ヒルズ一帯

2023年6月、虎ノ門・麻布台エリアに日本一高いビルが登場しました。旧郵政省本庁舎跡の日本郵政グループ飯倉ビルを解体し、地上64階、地下5階、塔屋2階建ての「麻布台ヒルズ森JPタワー」です。東京タワーとほぼ同じ高さの325mで、それまで1位だったあべのハルカスを抜いて、日本一高いビルとなりました。

ビル内には商業施設や医療施設、大規模オフィス、都市型レジデンス「アマンレジデンス東京」(全91戸)が入ります。再開発を行った森ビルは、人々の営みがシームレスにつながる街を目指して、周辺に2棟のレジデンスビル、インターナショナルスクール、約6,000㎡の中央公園等も形成しています。

しかし、三菱地所が大手町に地上63階、地下4階、高さ約390mの「Torch Tower(トーチタワー)」を2023年9月に着工しました。計画上、2028年3月竣工予定なので、「麻布台ヒルズ森JPタワー」が日本一高いビルとして存在できるのは、約5年ということになります。

日本の高層ビルランキング(2024年1月16日現在)

高さだけでなく、デザインや機能性でも評価される日本の高層ビル。その中でも特に高さで頭角を現す、現在の日本の高層ビルランキングトップ5をご紹介します。画期的な建築技術と豪華な設備、息をのむような眺望が魅力のこれらのビルを知ることで、新たな視点から日本の都市を見る機会になることでしょう。

1位 麻布台ヒルズ森JPタワー

高さ325メートル/地上64階/2023年竣工

2位 あべのハルカス

高さ300メートル/地上60階/2014年竣工

3位 横浜ランドマークタワー

高さ296メートル/地上70階/1993年竣工

4位 虎ノ門ヒルズステーションタワー

高さ266メートル/地上49階/2023年竣工

5位 SiSりんくうタワー

高さ256.1メートル/地上56階/1996年竣工

歴代の日本一高いビル

日本のスカイラインは、時代とともにその形を変えてきました。その変化の一部を形作ってきたのが、我々の頭上にそびえ立つ高層ビルたちです。それぞれの高層ビルは、完成した時点で日本一の高さを誇り、都市のシンボルとなりました。このパートでは、これら歴代の日本一高いビルを振り返り、その特徴と重要性を探ります。これらの建造物が日本の風景にどのように影響を与えてきたのか、一緒に見ていきましょう。

1964年 ホテルニューオータニ本館 73m/地上17階

日本で最初の高層ホテルであるホテルニューオータニは、東京オリンピックに合わせて建設され、国際的なゲストを迎えるための施設として計画されました。その特徴的な円形の建築デザインは、ホテルの全室から景色を楽しむことができるように設計されています。
また、その屋上には日本庭園があり、都心にありながら静寂な空間を提供しています。これらの特徴により、国内外の多くの観光客が訪れています。

1968年 霞が関ビルディング 147m/地上36階

東京の霞が関地区に位置し、日本の政府機関や大企業の本社が集まるエリアに建てられました。そのため、ビル内には多くの企業や機関が入居しており、日本の経済や政治の中心地とも言える存在でした。
霞が関ビルディングは、その地位と立地から、日本の高度経済成長を象徴する建築物ともされています。その後も高層ビルが増え続ける東京のスカイラインにおいて、霞が関ビルディングは重要なランドマークの一つとして位置づけられています。

1970年 世界貿易センタービル本館(初代) 162m/40階

東京湾に近い浜松町に位置し、その高さと立地から東京湾や東京都心を一望できる絶景を提供していました。また、ビル内にはオフィスだけでなく、レストランや展望台なども設けられ、ビジネスだけでなく観光の目的でも利用されていました。
しかし、このビルは老朽化のため2014年に閉鎖され、その後解体されました。現在は同地に新たな「世界貿易センタービル(二代目)」が建設中で、地上46階、高さ235メートルとなり、2027年の完成を予定しています。

1971年 京王プラザホテル 179m/47階

東京の新宿区に位置しており、新宿駅からも近い立地から、ビジネスや観光の拠点として利用されています。また、その高さから新宿の街並みを一望でき、特に上層階のレストランやバーでは夜景を楽しむことができます。
京王プラザホテルは、日本のホテル業界における超高層ホテルの先駆けとなり、その後のホテル建築に影響を与えました。現在もその高さとサービスで、多くの国内外の旅行者に利用されています。

1974年3月 新宿住友ビルディング 210m/52階

東京の新宿区に位置しており、その特徴的な三角形のデザインは新宿の高層ビル群を象徴する存在となっています。また、ビルの最上階には展望台が設けられており、新宿の街並みや遠くの富士山を眺めることができます。
このビルは、その名の通り住友グループのオフィスを中心に、さまざまな企業のオフィスが入居しています。また、地下には飲食店やショップがあり、ビジネスだけでなく食事やショッピングの場としても利用されています。

1974年10月 新宿三井ビルディング 223m/55階

新宿住友ビルディングと同じ年、同じ新宿区に完成した新宿三井ビルディングは、新宿駅西口周辺の新都心開発を牽引する重要な役割を果たしました。その力強さを感じさせる直線的なデザインと、黒を基調としたガラス張りの外観はシンプルながらも印象的で、新宿のスカイラインを形成する重要な要素となっています。
2021年、三井不動産は旗艦物件であった同ビルを、REITである日本ビルファンド投資法人に売却しました。これは、不動産価格の高騰を受けて利益を確保するとともに、新たなビジネスへの投資資金を確保する狙いがあったとされています。ただし、ビル自体の運営は引き続き三井不動産が行っています。

1978年 サンシャイン60 240m/60階

東京の豊島区、サンシャインシティ内に位置しており、ショッピングセンター、博物館、水族館、プラネタリウム、劇場など、さまざまな施設が集まる複合施設の一部となっています。特に最上階の展望台は、都心を一望できるロケーションとして知られています。
サンシャイン60の完成は、日本の高層ビル建築の新たな節目となり、その後の都市開発に影響を与えました。現在もその存在感を保ち続けており、多くの観光客に訪れられています。

1990年 東京都庁第一庁舎 243m/48階

1970年代、千代田区丸の内の旧都庁舎は老朽化や狭隘化の問題を抱えていました。1979年に就任した都知事の鈴木俊一氏は新宿への移転を推進し、1985年に移転が決定され、新たな都庁舎は新宿副都心に建設されました。
設計は、日本の著名な建築家、丹下健三氏が手掛けました。第一本庁舎、第二本庁舎、都議会議事堂の3棟からなり、東京都の行政の中枢機能を担っています。新宿の高層ビル群の中でも一際目立つ存在であり、展望室からは東京都内のパノラマを一望することができます。

1993年 横浜ランドマークタワー 296m/70階

横浜市のみなとみらい地区に位置し、地上70階、地下5階からなる複合施設です。特徴的な建物のデザインはアメリカの建築家、ヒュー・スタビンス氏によるもの。
展望フロアの「スカイガーデン」は地上273メートルの位置にあり、横浜市街はもちろん、天気がよければ東京タワーや富士山を見ることができます。また、地震に強い構造を持つことでも知られています。

2014年 あべのハルカス 300m/60階

大阪市阿倍野区に位置するあべのハルカスは、商業施設、オフィス、ホテル、美術館、放送局などを内包し、地下には鉄道駅も併設されています。展望台は「ハルカス300」の名で知られ、大阪市街のパノラマを一望できます。
外観デザインに関しては、ペリ・クラーク・ペリ・アーキテクツ代表のシーザー・ペリ氏が監修を務めました。また、「ハルカス」は古語で「晴れる、明るくなる」という意味があり、都市の新たなランドマークとしての役割を意味しています。

日本一高いビルを擁する虎ノ門
再開発で新たな東京の顔へと変貌する街の魅力

ここ数年、東京都内の中でも再開発により大きく変貌したエリアのひとつが、虎ノ門ではないでしょうか。麻布の台地と愛宕山にはさまれ、ホテルオークラ東京や政府系機関のオフィスが軒をつらねる閑静な高級エリアだった虎ノ門がいま、国際色ある街づくりを目指しています。

虎ノ門は江戸時代から続く由緒ある地名

虎ノ門の地名は、江戸城の南端にあった門の名前に由来しています。所説ありますが、当時は青龍、白虎、朱雀、玄武の四獣神が四方を守るという中国由来の考え方にちなんで「虎ノ門」が置かれたとされます。

2014年には、虎ノ門~新橋間で第2次世界大戦後に米国のマッカーサー元帥が建設を命じたという伝説がある「マッカーサー道路」が完成しました。これは計画から実に68年もかかった計算になります。約1.4キロが結ぶこの道路は、江東区有明から千代田区神田佐久間町に至る「環状第2号線」の一部。都心の慢性的な渋滞解消につながるほか、2021年の東京五輪では、選手村と各競技場を繋ぐ大動脈になるはずでしたが、築地市場の移転が延期された影響を受け、新橋~築地間のトンネル道路の工事も延期されました。
ちなみに環状第2号線が全線開通となったのは2022年12月18日で、予定から約2年遅れとなりました。

お手本はシャンゼリゼ、虎ノ門で進む国際色豊かな街づくり

虎ノ門から麻布、六本木といった付近一帯は、各国の大使館や領事館、国際組織、外資系のオフィスや外国人駐在員が多く住む高級レジデンスが立ち並ぶ国際色豊かなエリアです。

虎ノ門の再開発は、このマッカーサー道路の完成と52階建ての超高層ビル「虎ノ門ヒルズ」の開業が契機になりました。虎ノ門ヒルズの開発を手掛けたのは、付近一帯で多くのオフィスビルを所有する森ビル。森ビルは、周辺で所有するビルが古くなってきていることを受けて、東京都から国際戦略特区、特定都市再生緊急整備地域の指定を受け、虎ノ門から麻布台地区までの再開発を進めています。
また、先行して地下鉄日比谷線に「虎ノ門ヒルズ駅」が2020年に開業しています。

虎ノ門のオフィス街

取り組みのひとつとして、新橋から虎ノ門ヒルズまでの「新虎通り」は、その広い沿道を生かして、オープンカフェが立ち並ぶパリのシャンゼリゼ通りのような景観を目指しています。

日本屈指の老舗ホテルであるホテルオークラ東京は4年におよぶ建て替え工事を経て、2019年9月に「The Okura Tokyo」として開業しました。世界のセレブに愛された由緒あるたたずまいは残しつつ、最高級ブランドの「オークラ ヘリテージウイング」とコンテンポラリーラグジュアリーの「オークラ プレステージタワー」の2つのブランドを運営。世界水準を意識した最高級スイートルームを設けたほか、大型の宴会場を併設し、国際会議や展示会の誘致も目指しています。

同じ年の5月には虎の門病院の新築移転もありました。旧病院の隣接地に、地上19階、地下3階の高層ビルへとリニューアルすることで、延床面積は約1.4倍に拡大されました。外国人住民が多いことから、虎の門病院は多言語化を進めるとともに、人的通訳サービスや、医療滞在ビザへの対応、医療費の支払い方法等について整備していく予定だといいます。医療ツーリズムが注目される中で、重要な取り組みとなるでしょう。

虎ノ門ヒルズには、2014年にハイアットホテルアンドリゾーツの高級業態「アンダーズ東京」が開業しました。その横に建設された49階建てビル「虎ノ門ヒルズステーションタワー」にも「アンバウンド コレクション by Hyatt」として東京初進出となる「ホテル虎ノ門ヒルズ」が2023年12 月に開業し、観光客のみならずビジネスの場としても利用されています。今後、虎ノ門エリアの発展をけん引していくことでしょう。

古き伝統と国際色豊かな街並みが並び立つ

一方で、このエリアは江戸時代から続くお屋敷町でもありました。明治5年創業のそば屋「虎ノ門大坂屋砂場」、大正元年創業の和菓子店「岡埜栄泉」、大正7年創業の「松屋珈琲店」といった老舗も立ち並びます。また、サラリーマンの「聖地」である新橋にも近いことから、昼夜ともに使い勝手のよい立地です。虎ノ門のオフィスやホテルで商談を進め、昼は老舗の味を楽しみ、夜は六本木のエンターティメントや新橋の喧騒を味わう、そんなプランも考えられるでしょう。古き伝統と国際色豊かな街並みが並び立つ魅力は、都内のほかのエリアには見られないものです。伝統ある国際都市・東京の顔として、虎ノ門エリアの今後の発展にますます期待したいところです。

著者

株式会社ボルテックス 100年企業戦略研究所

1社でも多くの100年企業を創出するために。
ボルテックスのシンクタンク『100年企業戦略研究所』は、長寿企業の事業継続性に関する調査・分析をはじめ、「東京」の強みやその将来性について独自の研究を続けています。

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