2020年の東京大変貌地図 駅と街は こう変わる

ニューヨーク、ロンドン、パリ、シンガポールなど、世界には魅力的な都市が数多ありますが、その中で東京はどのような位置づけにあるのでしょうか。また、東京オリンピック・パラリンピックの開催前後で、東京はどのように変わっていくのでしょうか。
その最前線をレポートしました。

建設ラッシュはオリンピック・パラリンピック後も続く

ここ数年、東京では建設ラッシュが続いています。その要因の一つは、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックでしょう。スタジアムをはじめとする競技場や選手村のほか、宿泊施設、娯楽施設などの建設需要が大いに盛り上がっています。

オリンピック後の五輪ロスを懸念する声もありますが、東京の建設ラッシュは、実はオリンピック・パラリンピック後も続きます。なぜなら、今の東京における建設ラッシュは、オリンピック・パラリンピックという一時的な特需によるものではなく、「東京を魅力的な街につくり替え、都市の国際競争力を高める」という国策による後押しがあるからです。その根拠となるのが、第二次安倍内閣の成長戦略の柱の一つとして掲げられた「国家戦略特区」です。

「国家戦略特区」は、“世界で一番ビジネスをしやすい環境”をつくることを目的に、地域や分野を限定することで、大胆な規制・制度の緩和や税制面の優遇を行う制度です。その中でも都市再生・まちづくりにおいて、国際的ビジネス拠点の形成を目指し、容積率・用途等土地利用規制の見直しなどが行われています。

そして、「東京圏 国家戦略特別区域」においては、(1)国家戦略民間都市再生事業、(2)国家戦略都市計画建築物等整備事業、この2つの施策から再開発事業を支援し、総計35カ所が特別区域のプロジェクトとしてあがっています。そのような取り組みから、東京の都市再生は加速されているわけです*。
*「東京圏 国家戦略特別区域 区域計画

東京の大規模再開発事業は、下記の地図内情報を見てもわかるように、さまざまなエリアで展開します。これだけ数多くの超高層ビルを建てて供給過多にならないのかという点を懸念する声もありますが、この数年間のオフィスビル市場を見ると、年々需要は高まるばかりです。都心5区オフィス平均空室率は2013年の8%台を機に下がり続け、2018年11月に2%を切り、2019年9月以降は1.6%台で推移するなど活発な需要が続いています(三鬼商事調べ)。新築ビルの空室率も低く、大規模ビルが満室で竣工するケースもあります。

東京開発マップ

また、いまだに東京都への人口流入も止まりません。東京都の総人口は、1963年に1,000万人を超え、2019年1月1日時点では1,385万7,443人(東京都推計)。1997年以降、実に23年にわたって増加傾向が続いています。日本の産業構造は、農林水産業の第1次産業・工業主体の第2次産業の時代から、サービスや流通、情報を取り扱う第3次産業へ大きくシフトし、さらに近未来に向けて、IoTやAIがビジネスを牽引する「第4次産業革命」の時代が到来しつつあります。第3次・第4次産業が主体の先進国社会では、「人・モノ・カネ・情報」が集まる都市経済はスケールメリットが働いてますます栄える傾向があり、大都市への一極集中は世界的なトレンドとなっています。このような経済の動きに伴う都市の企業活動の活発化から考えても、東京経済圏における都心オフィスビルへの需要は当面続くことになるでしょう。また、都心の新築オフィスに移転した後のビルは、エリアによっては住居やインバウンド需要に応じた宿泊施設への転用などが進むことも予測されます。

東京都の人口は2025年以降緩やかに減少傾向をたどると見られていますが、1990年代後半から始まった都心回帰の動きは今後も進み、中心部への人口流入は続くでしょう。東京がこれからも発展するためには「GDP成長率の低さ」や「法人税率の高さ」などの課題をクリアし、規制緩和と経済成長施策を活用しながら、外国企業を含め多くの優良企業を誘致することが必要で、これによりさらなる大きな成長が見込めます。

世界的に見ても魅力ある都市・東京の優位性

新しいオフィスビルの供給、ならびにそれを中核とするエリアの再開発事業は、東京という都市の国際競争力を着実に高めていくはずです。現時点においても東京の魅力は、世界主要国の大都市と比べて決して遜色ありません。それは、さまざまな機関が作成・公表している世界の都市ランキングを見ればわかると思います。森記念財団が運営する都市戦略研究所発表の「世界の都市総合力ランキング2019」では、経済、研究・開発、文化・交流、居住、環境、交通・アクセスという6分野で各都市の総合力を順位づけ、東京はロンドン、ニューヨークに次ぐ世界3位です。

東京の強みは「経済」分野では「世界トップ500企業」の数や「従業者数」、また「研究・開発」分野では「特許登録件数が多いこと」、「文化・交流」分野では「食事の魅力」などの項目が高評価。ミシュランガイド2020年版の星付き飲食店は東京が226軒とダントツでパリの約2倍あり、今や東京こそが美食の都です。

また、「居住」分野の「住宅賃料水準の低さ」はロンドン、ニューヨークを引き離して圧倒的に低く住みやすさの指標の高さとなっており、「交通・アクセス」の充実度や正確性、利便性も高く評価されています。

さらに働き方改革でオフィスのコワーキング化の動きもより進み、ワークプレイスの変革を引き金に、東京のオフィスビル環境はますます大きな変貌を遂げることとなりそうです。

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