企業の資金調達の新手段、クラウドファンディング活用法

※百計オンラインの過去記事(2018/05/14公開)より転載

企業の資金調達の手段には、株式公開(IPO)や金融機関からの融資、株式発行による増資や社債、ベンチャーキャピタルからの投資、公的な補助金や助成金など、さまざまなものがあります。最近はクラウドファンディングがその一角を担うようになっている傾向です。企業の資金調達の新手法として活用が広がるクラウドファンディングについて見ていきましょう。

クラウドファンディングで借り入れコストを軽減

クラウドファンディングによる調達の良いところは、調達した資金を返済する必要がないという点です。ただし、世の中タダでお金を集められるほど甘くはないので、サービスや事業が軌道にのったら、出資した人にお礼をする必要があります。それでも、金融機関からの融資に比べて、借り入れコストをぐっと下げることが可能です。

特に、立ち上げて間もないスタートアップ企業や、必ずしもすぐに収益を上げられるとは限らない新規事業の立ち上げなどの資金調達をするなら、クラウドファンディングを選択肢のひとつにしても良いでしょう。

ファンディングサービス会社利用の流れ

クラウドファンディングを行うにしても、立ち上げて間もないスタートアップや知名度の低い中小企業が、ブログや自社サイト、SNSなどで資金調達を呼び掛けても拡散の見込みは低いです。そのため、多くの場合は、クラウドファンディングサービス会社(以下サービス会社)の支援企業を利用します。

サービス会社を利用するメリットは、資金提供をしたいと考えている投資家の目に留まりやすく、宣伝効果も見込める点です。また、会社によっては担当者がつくので、資金調達を呼び掛けるためのウェブページ作成や呼び掛けの文言作りなどで助言を得られる点もメリットといえるでしょう。ただし、資金調達に成功した場合は、サービス会社への報酬が発生します。一般的なサービスの流れは以下の通りです。

1.資金調達したい事業の内容、資金調達の規模、期限などをサービス会社に伝える
2.資金調達の可能性について大筋で了解が取れたら契約を結ぶ
3.資金調達を呼び掛けるためのウェブページを作成する
4.ページを一般公開し、資金調達を開始する
5.目標額まで資金が集まったら、資金が口座に入金される
6.資金提供者にサービス提供などのお礼をする

クラウドファンディングで注意すべき点

クラウドファンディングでの資金調達で注意すべきポイントは、「目標額を達成しなかった場合は資金が得られない」という点でしょう。例えば、100万円を目標額として資金調達を設定した場合、98万円しか集まらなかったら、口座への入金は0円となり、集められた資金は投資家に返還されます。もし、105万円調達した場合は、全額を資金調達することができるのです。
一般的な企業が調達できる金額の目安は150万円が上限といわれているので、参考にすると良いでしょう。また、デメリットとして挙げられるのは、資金調達開始から入金まで数ヵ月のタイムラグが発生するという点です。創業融資などに比べると時間がかかるので、開業資金としてクラウドファンディングを利用する場合は、タイミングに注意すべきでしょう。

東京都もクラウドファンディングを支援

東京都は2017年、主婦・学生・高齢者などのさまざまな層による創業や新製品の開発、ソーシャルビジネスなどへの挑戦を促進するため、クラウドファンディングによる資金調達支援事業を開始しました。支援事業は、以下の3つの柱からなります。

1.手数料の一部補助
資金調達に成功した場合、サービス会社に支払う報酬を一部補助する

2.電話相談窓口の設置、セミナーの開催
クラウドファンディングによる資金調達の電話相談窓口の設置やセミナーを開催する

3.専用ウェブサイトの開設
サービス会社を紹介する専用ウェブサイトを開設する

同事業で取り扱うサービス会社は以下の6社となっています。クラウドファンディングサービス大手として覚えておくと良いでしょう。(カッコ内はサイト名称)

・株式会社サーチフィールド(FAAVO:ファーボ)
・株式会社ワンモア(GREEN FUNDING:グリーンファンディング)
・株式会社JGマーケティング(JAPANGIVING:ジャパンギビング)
・株式会社サイバーエージェント・クラウドファンディング(Makuake:マクアケ)
・株式会社Motion Gallery(Motion Gallery:モーションギャラリー)
・READYFOR株式会社(Readyfor:レディーフォー)

著者

株式会社ボルテックス 100年企業戦略研究所

1社でも多くの100年企業を創出するために。
ボルテックスのシンクタンク『100年企業戦略研究所』は、長寿企業の事業継続性に関する
調査・分析をはじめ、「東京」の強みやその将来性について独自の研究を続けています。

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