TOKYO街COLORS VORTのある街-麻布編-

六本木や表参道の商業地に隣接しながら、瀟洒(しょうしゃ)な邸宅や高級レジデンスが立ち並ぶ日本有数の高級住宅街であり、各国大使館が点在する国際色豊かな麻布エリア。一方で、親しみやすい商店街もある多様性が魅力の街並みを、ゆっくりと堪能しに出かけましょう。

レトロ建築や各国大使館が趣きを生む高級住宅街

武蔵野台地の東端、麻布台地を中武蔵野台地の東端、麻布台地を中心とした港区の麻布エリアは起伏に富んだ坂の多い土地です。江戸時代には武家屋敷が立ち並んでいました。仙台藩伊達家の下屋敷があったことに由来する「仙台坂」をはじめ、旗本青木氏の屋敷があった「青木坂」など、坂の名前からその歴史が伺えます。

東京メトロ広尾駅のほど近く、南麻布4丁目と5丁目の間の「南部坂」もその一つです。そこにはかつて盛岡藩南部家の屋敷がありました。屋敷は明治に入ると有栖川宮家の御用地となり、現在は区が所有する「有栖川宮記念公園」として開放。丘や池を四季の花が彩る日本庭園が住民の憩いの場となっています。

高級住宅街で知られる麻布エリアの中でも南麻布は特に豪邸が目立ち、ドイツやフランスなど欧州の大使館も点在。麻布には武家屋敷の跡地や寺院を利用して多くの大使館が建てられたことから、外国人居住者が行き交う姿がよく見られます。彼らの生活を支えるのが南部坂下にある「ナショナル麻布」。世界各国の食材や雑貨が並ぶインターナショナルスーパーマーケットです。また、そのそばには「日本基督教団麻布南部坂教会」が。日本で多くの西洋建築を手がけたアメリカの建築家、ウィリアム・メレル・ヴォーリズが1933(昭和8)年に設計したもので、清廉とした佇まいが街に趣きを添えています。

元麻布に門を構える「西町インターナショナルスクール」の本館もヴォーリズの設計によるものです。もともとは日本銀行を創立した明治の元勲・松方正義の六男、松方正熊の私邸で1921(大正10)年に建てられました。同じ元麻布にあって1917(大正6)年に建築された「日本基督教団安藤記念教会会堂」の礼拝堂は、重厚な大谷石と巨匠・小川三知によるステンドグラスが美しく、こうした歴史ある建物が散策する人の目を楽しませています。

都内有数の広さを誇る「有栖川宮記念公園」と荘厳な「日本基督教団安藤記念教会会堂」

都内有数の広さを誇る「有栖川宮記念公園」と荘厳な「日本基督教団安藤記念教会会堂」

商店街の活気に包まれて 老舗、名店を食べ歩き

一方、麻布通り(都道415号高輪麻布線)と並走する首都高速道路の西側、麻布台地の坂下に広がる麻布十番は、下町情緒が垣間見える古くからの商業地です。もともとは824(天長元)年創建という東京都内では浅草寺に次ぐ古刹(こさつ)「麻布山善福寺」の門前町として栄えてきました。かつては陸の孤島ともいわれていましたが、2000年に東京メトロと都営地下鉄の麻布十番駅が相次いで開通すると、よりいっそう活性化。「麻布十番商店街」には350以上もの商店が軒を連ねています。

歴史ある商店街だけあって、老舗が点在するのが特徴です。1789(寛政元)年創業の「総本家 更科堀井」は、宮家や大名屋敷にも納めていたという由緒あるそば処。たい焼きの元祖といわれる甘味処「浪花家総本店」や、選ぶのを迷うほど種類が豊富な豆菓子店「豆源」も100年以上にわたって伝統を守り続けています。

「麻布山善福寺」、下町情緒あふれる「麻布十番商店街」の「浪花家総本店」は“たい焼き御三家”の一つ

「麻布山善福寺」、下町情緒あふれる「麻布十番商店街」の「浪花家総本店」は“たい焼き御三家”の一つ

また、おでんが評判のミシュラン星獲得店「あざぶ 一期」から元鮮魚店が営む人気の和食店「魚可津」、ミルクフランス目当てにパン好きが集うパン屋「ポワンタージュ」までバラエティに富んだ店が立ち並び、たくさんの人が食事に、買い物にと訪れるグルメスポットです。

グルメといえば西麻布を忘れてはいけません。六本木ヒルズや東京ミッドタウンにほど近く東京メトロ表参道駅も徒歩圏内の西麻布は、大通りに富士フイルムの本社をはじめとするオフィスや雑居ビルが立ち並ぶ一方、少し路地裏に入ると隠れ家的名店が点在しています。

その代表ともいえるのが「龍土軒」です。1900(明治33)年創業の日本最古ともいわれるフランス料理店で、乃木希典陸軍大将や柳田国男、乃木希典ら文人に愛されてきました。もともとは龍土町(現・六本木7丁目)にありましたが、現在は西麻布1丁目で客を迎えています。ほかにも、日本におけるイタリア料理界の草分け的存在である片岡護シェフのイタリアンレストラン「リストランテアルポルト」や、ワインソムリエのいる寿司屋でミシュランの星も獲得している「西麻布 拓」などの名店があり、食通を唸らせています。

大きな人の流れを生む 商業エリアの再開発が進行中

国際色豊かで閑静な高級住宅街を中心に成熟した麻布エリアでは、再開発も進められています。麻布台1丁目と六本木3丁目、虎ノ門5丁目にまたがる「虎ノ門・麻布台プロジェクト」は、「街全体をミュージアムとする」というコンセプトのもと、ミュージアムやギャラリー、オフィス、住居、ホテル、商業施設等を融合した大型施設の建設を予定しており、2023年に竣工すれば就業者約2万人、居住者約3500人、年間来街者2500~3000万人もの利用が見込まれています。

元麻布の暗闇坂沿いには2018年に地上5階地下1階建ての低層マンション「グランドヒルズ元麻布」が竣工。麻布エリア隣接の三田5丁目の266戸の分譲マンション「ザ・パークハウス 三田ガーデン レジデンス&タワー」も2021年秋の完成予定で注目を浴びています。

また、六本木ヒルズに隣接する西麻布3丁目から六本木6丁目にかけては、野村不動産を中心とした「西麻布三丁目北東地区第一種市街地再開発事業」が進行中。オフィスや住居、ホテル、店舗、子育て支援施設等が入る高さ約200メートルのタワーの建設が計画されています。工事期間は2022年から2026年の予定です。完成すれば、六本木駅周辺がさらなる進化を遂げることでしょう。

日本有数の商業地に隣接しながら、歴史と風格がゆったりとした時の流れを感じさせる麻布エリア。「VORT」を拠点に体感してみてはどうでしょうか。

麻布周辺MAP

麻布周辺ののVORT

著者

株式会社ボルテックス 100年企業戦略研究所

1社でも多くの100年企業を創出するために。
ボルテックスのシンクタンク『100年企業戦略研究所』は、長寿企業の事業継続性に関する
調査・分析をはじめ、「東京」の強みやその将来性について独自の研究を続けています。

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