マーケティング戦略の成功の鍵?ES(従業員満足度)導入の意味とは…!

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※百計オンラインの過去記事(2015/04/30公開)より転載

従業員満足度とは?

社会経済は、生産と消費によって成り立っており、商品(サービス)を消費者に提供する企業は、少しでも多くの消費者すなわち顧客を獲得するために厳しい業者間の競争を繰り広げています。しかしながら、消費者側は業者同士の競争には興味はなく、どの商品(サービス)の方が自分にメリットがあるか、という点に関心が集約されます。

すなわち、消費者が欲する商品(サービス)の提供こそが企業の業績向上に直結する要因であり、この道理から「顧客満足度」という企業が目指す目的指針が形成され、その行動理論が構築されていったのです。

「顧客満足」は、英語の”customer satisfaction”の頭文字をとって”CS”と表記されることが多く、CSとその理論は企業経営者にとっては必須のビジネス用語となっています。CSは、特にサービス産業のマーケティングでは最も重要なテーマだけに、サービス産業が最も早く発展した米国においてはすでに1960年代から研究と分析、実践が繰り返されています。そしてそれらはマニュアル化されて日本に紹介されたという経緯があり、1980年代からは日本でも各企業の業種・業態に適合したCSマニュアルが作成されるようになりました。

現在では、業種を問わずどの企業においてもCSマニュアルによってマーケティングが展開されています。昨今の消費者保護意識の高まりという社会情勢も手伝って、CSを軽視して利益のみを追求する企業はもはや生き残れない時代になっているといってよいでしょう。

それでは、企業はただひたすらにCSの充実のみに全力を尽くせばそれで十分なのでしょうか?

否。真に息の長い企業たるには、CSと同等にESの充実が求められる、という提言がコンセンサスとなっているのが現在の日本のビジネス社会なのです。

ESの充実が企業の長期安定の鍵

“ES”とは”employee satisfaction”の頭文字で、その意味は「従業員満足」です。つまり、企業にとって商品(サービス)の生産や接客に直接・間接に携わる全従業員が、自身の職場環境や待遇に真に満足しているかという点を示す言葉であり、その尺度は「顧客満足度」にならって「従業員満足度」と呼称されます。

企業の経営者として肝に命じるべきなのは、「CSとESは全くの等価関係にある」という点です。すなわち、いくらCSを充実させてもESがなおざりでは、一時的に業績は延びても長続きしない、ということになるのです。

近年、急速に業績をアップさせたある外食産業が、過酷な労働環境を従業員に強いていたことが発覚し、世間から「ブラック企業」という不名誉な烙印を押される事態を招き、労働条件の改善を余儀なくなれたとたん、相次ぐ店舗の閉鎖と業績ダウンという結果に陥ったことは、ESの重要性を天下に示した実例といえるでしょう。

ESも、CSと同じように心理学や人間工学、文化人類学などの視点からアプローチした理論が体系化されており、それらを各企業の業種と規模に適合した内容にマニュアル化して実践する必要があり、その一連の作業にかかるES確立のための企業の労力は、むしろCSを凌駕しているほどです。

ESを実践するには、まず現状の把握とその正確な分析が必要とされます。ESの分析に関しては、外部の専門業者に依頼して細分化された項目をチェックして採点し、その結果を考察する手段が一般的です。中規模以上の企業では、社内労務士の主導によって「ES向上型人事考課制度」を導入しているパターンが増えてきています。

いずれにせよ、ESのシステム確立こそが企業のマーケティング戦略の成功の鍵を握るといっても過言ではないでしょう。ESの向上がCSの充実につながり、企業に安定的繁栄をもたらすという真理を経営者は理解するべきなのです。

著者

株式会社ボルテックス 100年企業戦略研究所

1社でも多くの100年企業を創出するために。
ボルテックスのシンクタンク『100年企業戦略研究所』は、長寿企業の事業継続性に関する調査・分析をはじめ、「東京」の強みやその将来性について独自の研究を続けています。

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