企業文化とは?その定義と重要性を詳しく解説、成功事例を紹介

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記事公開日:2023/03/15    最終更新日:2025/07/01

「企業文化は戦略に勝る」と語った経営学者ピーター・ドラッカー氏は、組織における文化の力を強調しました。現代のビジネスにおいては、優れたリーダーシップや継承可能な仕組みが企業文化を下支えし、企業を長期的に発展させる重要な要素として注目されています。

本コラムでは、「企業文化」というキーワードを軸に、企業風土や社風との違い、企業文化を醸成・変革する方法、さらに企業文化を戦略面やリーダーシップの観点から活かし、創業から100年続くような長寿企業を目指すためのポイントを分かりやすく解説します。

企業文化とはなにか、企業風土や社風との違いとは?

はじめに、企業文化とはなにか、似た概念である企業風土や社風とどのような違いがあるのかをみていきましょう。企業にはさまざまな形で組織固有の特徴が存在します。特にリーダーにとっては、これらの概念を正しく理解することが、組織をまとめ上げ“強いチーム”をつくる第一歩です。はじめに、企業文化とはなにか、似た概念である企業風土や社風とどのような違いがあるのかをみていきましょう。

企業文化とは?

企業文化(Corporate Culture)とは、経営者やリーダー陣のビジョンや理念、価値観、行動規範、組織全体の思考様式などを総称したものです。これらは、企業理念や行動指針として明文化され、教育・研修や社員同士のコミュニケーションを通して社員に共有されます。 組織の方向性や判断基準を明確にし、全社的に統一感をもたらす重要な役割を担います。100年を超えるような長寿企業の多くは、この企業文化がしっかり浸透しており、世代を超えて受け継がれているケースが多いのが特徴です。

企業風土とは?

企業風土は、目に見える規則やマニュアルだけでなく、暗黙のルールや社員同士の慣習、業界特有の習わしなど、長い年月をかけて醸成される組織の空気感を表す言葉です。役職ごとの上下関係や業界の慣例など、日々の働き方の現場で自然に形成されていきます。企業文化に比べると、意図的に生み出されたものというより、歴史や習慣の積み重ねが大きいです。

社風とは?

社風は、その企業独特の“雰囲気”を端的に示す言葉です。「たとえば「自由で風通しがよい」「堅実でルールが厳格」など、形容詞で表現できる側面が特徴的です。リーダーとしては、この社風を味方につけ、組織のモチベーションを高めることが肝心だといえます。

企業文化、企業風土、社風の違い

企業文化は、経営者やリーダー陣の理念・価値観をもとに明確に意図づけられ、組織全体で共有される行動基準です。それに対して、企業風土は歴史や慣習によって自然に醸成された規範や考え方、社風は企業文化や企業風土からにじみ出る“雰囲気”で、直感的に捉えられる企業の空気感だと捉えると分かりやすいでしょう。

企業文化のメリットとは? 必要性を解説

リーダーが組織を率いるうえで、企業文化がもたらすメリットは数多く、その成否は組織の持続可能性や業績に大きな影響を与えます。

企業文化の必要性を表す格言に、経営学者ピーター・ドラッカー氏が提唱した「Culture eats strategy for breakfast(文化は戦略に勝る)」があります。ここで強調されているように、いかに優れた戦略を立案しても、それを実行する土台となる企業文化が整っていなければ、成果は生まれません。

ここから企業文化の必要性とメリットをみていきましょう。

意思決定の指針になる

企業文化が組織全体に浸透していると、社員は日常の業務や不測の事態においても、どのような行動が企業の理念・価値観に合致するかを判断しやすくなります。たとえば「顧客第一主義」が明文化されている企業では、ビジネス上の選択肢に迷った時、“顧客満足を最優先に考える”という指針に立ち戻ることで、スピーディーかつ適切な意思決定を実行可能です。

社員のモチベーションと定着率の向上

明確な企業文化をもつ組織では、社員は自分の業務がどのように組織の目標や価値観に貢献しているかを理解しやすくなります。社員は企業の活動の目的や方向性に共感することで、自らのモチベーションを高めることができます。

また、自分自身と企業の目標が一致していると、社員は長期的に企業活動に関ろうとして定着し、離職率が低くなる傾向にあります。 自分が企業の一員であることに誇りを持ち、自社に所属することで自己実現や自己表現が可能になるため、企業への忠誠心が向上します。経営者やリーダーが自らの言葉と行動で理念やビジョンを示し、社員がそこに共感できれば、仕事へのやりがいを感じやすくなり、離職率の低減にもつながるでしょう。

企業文化が社員の働き方に影響を与え、ワークライフバランスの改善やストレス軽減にもつながります。

生産性の向上

企業文化の共有が進むと、部門間の垣根が低くなり、コミュニケーションが円滑になり、協調性が向上し、組織の統一感が強化されます。統一感が増すと部署間の対立や軋轢が減り、情報や人を共有して効率的な組織へと発展します。共通言語を持つ社員同士で協働すれば、ゼロベースのすり合わせ作業が減り、生産性が上がるだけでなく、チームとしての成果も拡大しやすくなります。

ブランド力の向上

社会的に評価されるような強固な企業文化があると、企業のブランド力・信頼性は飛躍的に高まります。対外的にも「この企業なら安心して任せられる」といったポジティブなイメージが定着し、採用面やマーケティング、投資家からの評価などに好影響を与えます。

企業文化が優れていると、社員が自発的に企業文化を守ろうとする効果もあり、地域社会と社員との結びつきも強くなります。企業が社会的責任を果たし、社員の幸福や地域社会の発展に寄与することで、企業の価値と競争優位を高め、ブランド力が向上します。

企業文化を醸成する方法とは

企業文化を醸成する方法は多岐にわたりますが、ただ宣言するだけでは意味がありません。リーダー自らが体現し、社員と対話しながら実践を重ねることで、はじめて企業文化は着実に根付きます。

ビジョン・ミッション・バリューの明確化

企業文化の醸成には、単発のオリエンテーションだけでなく、継続的な学習や研修が不可欠です。採用や入社時だけでなく、継続的に社員にビジョン・ミッション・バリューを理解するための教育・トレーニングを行うことが、企業文化の醸成につながります。 社員が企業の価値観を実践に移せるよう、具体的企業文化の土台となるのが、ビジョン(将来像)、ミッション(使命)、バリュー(価値観)です。

たとえば、100年を超える長寿企業を目指すのであれば、経営目標の一つとして「事業を通じて社会の持続可能性に貢献する」などのミッションを打ち出し、そこに紐づく行動指針を共有する必要があります。社員全員にとって理解しやすい形、例えば明文化やイラスト化などを通して可視化することが、企業文化を明確にする第一歩です。ビジョン・ミッション・バリューの明確化により、社員は企業が何を目指しているのかを理解し、具体的に行動することができます。

社員の教育・トレーニング

企業文化の醸成には、単発のオリエンテーションだけでなく、継続的な学習や研修が不可欠です。採用や入社時だけでなく、継続的に社員にビジョン・ミッション・バリューを理解するための教育・トレーニングを行うことが、企業文化の醸成につながります。 社員が企業の価値観を実践に移せるよう、具体的なケーススタディやロールプレイングを行うことで、理念を“腹落ち”させることができます。リーダーシップ研修も含め、育成プログラムを定期的に見直すことが重要です。

また、エンゲージメント調査の実施も有効です。エンゲージメント調査を実施して、ビジョン・ミッション・バリューの理解度と浸透度を測り、状況に応じて再教育やトレーニングを企画したり、社員の意見や考え方を把握して企業文化の改善につなげたりすることが必要です。

コミュニケーションにより社員の関与を高める

「企業文化を共有してください」と一方的に呼びかけても、現場社員には“押し付け”と感じられる場合があります。社員が関心を持ち、自ら共有に参加することが、企業文化の醸成に欠かせません。そこで、リーダー自らが対話の場を積極的につくり、現場の声を取り入れながらビジョンやバリューを再設定するプロセスを踏むことで、多様な社員の自発的な参加を促すことが肝要です。

企業文化に対してどうように貢献するのか、社員自信が考え意識する機会を設けることも効果的です。例えば、ビジョン・ミッション・バリューをテーマにしたワークショップの開催があげられます。こうした機会設け、社員同士の定期的なコミュニケーションを通じて理解を深めると、企業文化の醸成につながります。

企業文化が醸成しない理由と対処法

企業文化を根付かせたいと願う経営者やリーダーは多いものの、実際にはうまくいかないこともあります。ここでは、その主な要因と対処法を考察します。

組織構造や制度との不一致を解消する

理念や行動指針を定めても、それを実践できる環境が整っていなければ社員は動きづらいです。評価制度や業務プロセスが、掲げる企業文化と矛盾している場合が典型例です。たとえば、「チームワーク重視」をうたいながら個人の売上だけを評価する制度が存在すれば、組織の言うこととやっていることが食い違います。

企業文化として醸成させようとしようとしても、組織の構造や業務プロセスがともなっていなければ実現することができません。また行動した社員を評価する制度がなければ、この行動を継続させることはできません。組織構造や業務プロセス、制度を先に改革する必要があります。

押し付けられ感をなくし、社員の関与を促す

トップダウンだけではなく、社員が自らの意見を言いやすい風土を醸成することが不可欠です。否定的な意見をあえて受け止め、活かしていく姿勢をリーダーや経営陣が示すことで、企業文化への納得感が高まり、主体的に行動する社員が増えていきます。

また、社員にとっては、自分が関知していないところで形成されたビジョン・ミッション・バリューを自分事として捉えるのは難しいものです。企業文化に共感している社員だけでなく、否定的な社員をあえて企業文化醸成の実行担当者に任命するなどして、多様な社員の関与を高め、共通認識を広く醸成させる方法を探ると効果的です。

コミュニケーション不足を解消し、抵抗感を緩和する

企業文化の改革や刷新は、社員にある程度のストレスを与えます。しかし、十分な説明と時間をかけたコミュニケーションを行えば、不安を解消し、スムーズに移行が可能になります。リーダーは意図や背景を具体的に伝え、社員からの質問や意見に耳を傾ける姿勢を維持しましょう。社員がビジョンや行動指針に適応するには、時間と労力が必要です。企業文化を醸成するには、コミュニケーションを活発にし、必要性を説いて抵抗感を薄めていく必要があります。

企業文化のデメリットとは? 注意点を解説

企業文化は多大なメリットをもたらす一方、組織の中で強固に根づくと、逆に弊害を生む場合もあります。ここでは、注意すべき代表的なリスクを確認します。

多様性や柔軟性の喪失

強い企業文化は、社員の意識を同じ方向へと促すメリットがありますが、新たな発想や柔軟なアイデアが排除される危険性があります。企業文化が過剰に強調されると、社員はそれに反するアイデアを言い出しにくくなり、多様な意見や考え方が排除されて偏りが生じ、閉鎖的な企業体質になることがあります。グローバル化が進む昨今、異なる背景を持つメンバーを取り込み、多様な視点を尊重する姿勢を保つためにも、リーダーが意識して“オープン”な風土を育むことが鍵です。

外部環境との乖離

社会の価値観・技術は日進月歩で変化しています。 変化に対応しない企業文化が固定化されると、環境変化のスピードについていけなくなり、競争力を失う可能性があります。柔軟な改革を促すリーダーの存在が重要です。

不健全な企業文化

一度、不健全な文化が組織に根づくと、抜本的に改革するまで長引く悪循環に陥る危険性があります。例えば、“上司には絶対服従”という極度の縦社会で不正を見て見ぬふりする風土が生まれれば、社員の離職率が増えたり、社会的評価が下がったりしやすくなります。

組織開発のコンサルティングを手がけるピープルフォーカス・コンサルティングのファウンダーである黒田由貴子氏は、凝り固まった不健全な企業文化が根付いた場合、優秀な社員が多数いるにも関わらず、何をやってもうまくいかないという事態に陥るとし、繰り返しシステム障害を起こしたみずほフィナンシャルグループの事例をあげています。 金融庁も「言うべきことを言わない、言われたことだけしかしない」と、その企業文化を批判しました。

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経路依存性

経路依存性(path dependence)とは、過去の意思決定や慣行が足かせとなり、現在や将来の選択肢を狭めてしまう現象です。例えば、ある組織で以前に採用した製品戦略が成功した場合、製品を取り巻く環境が変化しても同じ戦略を維持し、ほかの戦略を採用しにくくなる、などがあげられます。

経路依存性は、経営方針や人事制度においても見られ、次第に企業文化の一部になって、企業の成長を阻害する要因になり得ます。過去に成功を収めた戦略や方法論ほど手放しにくいですが、外部環境が変わっている場合は、それを見直し変革するリーダーシップが不可欠となります。

企業文化は、過去の成功や経験だけでなく、将来のビジョンや価値観、行動指針などを反映したものであるべきです。企業は、経路依存性を認識し、柔軟性や創造性を尊重する企業文化の形成を目指す必要があります。

根付いた企業文化を変革するには?

もし現状の企業文化が時代や組織に合わなくなっている場合、改革が求められます。しかし、企業文化の変革には多大な時間と労力が必要であるため、リーダーには強い意思と継続的なコミットメントが必要です。

前出の黒田由貴子氏は、企業文化が不健全な組織では、問題に対処しようとしても現場に浸透しない、流行りの戦略を取り入れても空回りする、などの状況が続くことにも言及しています。

不健全な企業文化から脱却し、外部環境の変化に対応するには、企業文化を変革する必要があります。いくつかの方法をみていきましょう。

自社の現状を把握する

まずは定量・定性の両面から分析し、どのような企業文化が企業の足を引っ張っているのか、あるいは強みになっているのかを把握します。 従業員満足度調査やヒアリング、外部のコンサルタントの意見などを活用して、客観的な視点を得ましょう。

社内の制度や仕組みを見直す

理念がどれほど素晴らしくても、それを支える制度設計がなければ形骸化します。評価制度やプロセス管理、会議運営などを刷新し、新しい企業文化が自然と浸透するような環境整備を行うことが求められます。

リーダーシップの変革

経営者や役員などのリーダーが自ら行動様式を変え、多様な意見を歓迎する姿勢を明確に示すことが、文化変革の第一歩です。特に、創業から長く続く企業ほど、一貫した企業理念が強みとなる反面、変化を嫌う傾向に陥りやすいです。そこに柔軟性を与えるリーダーの存在が改革の成否を左右します。

コミュニケーションの改善

変革を進める上では、トップと社員の間だけでなく、社員同士の横の連携や情報共有も念入りに行う必要があります。小さな変化や成功事例をこまめに共有し、互いにモチベーションを高め合うことが大切です。

成果の可視化

企業文化の変革は短期的な成果が出にくい分、途中で挫折しがちです。マイルストーンごとに結果を見える化し、社内外からの評価を取り入れていくことで、リーダーと社員が「変革は価値がある」と再認識し、取り組みを継続しやすくなります。

ブランド調査など、社会からの評価をフィードバックするのも有効です。 企業文化の成功事例を紹介 ここでは、企業文化を重視し、大きな成果をあげている企業の事例をいくつかあげます。

企業文化の成功事例を紹介

ここでは、企業文化を重視し、大きな成果をあげている企業の事例をいくつかあげます。

Google

Googleは、多様性を尊重しながらも最高のユーザー体験を追求する企業文化を育んできました。

信念は

Don't be evil(悪いことをするな)

柔軟な働き方や老舗企業には無かった斬新なオフィス環境も広く注目され、世界中の人材が憧れる企業となっています。さまざまなバックグラウンドやスキルを持つ、多様性に富んだ人材を採用して柔軟な働き方を支援。社員の幸福度向上にも力を入れています。

Zappos

靴のオンライン販売会社としてスタートしたZapposは、「顧客をハッピーにするには社員がハッピーであることが何より大切」と考える創業者のリーダーシップが企業文化の基盤です。創業者のトニー・シェイは、社員の幸福度を向上に対して強い信念を持ち、企業文化を醸成しています。社員は顧客ニーズに応えるため最善を尽くしており、顧客へのいわゆる“神対応”でもたびたび話題になります。

また、お互いへの評価をフィードバックする場を設けるなど、積極的にチームビルディングを行い、社員の成長を支援しています。フラットなコミュニケーションを奨励し、社員が自発的に顧客満足に全力を尽くす風土をつくっています。

Patagonia

アウトドアブランドのPatagoniaは、環境保護を中核とする企業文化を掲げ、それを実行する仕組みづくりを徹底しています。

掲げる信念は

最高の製品を作り、不必要な損害を与えず、ビジネスを通じて環境問題の解決策を醸成する

信念に即した企業文化が醸成され、社員はリサイクルや再利用に取り組んでいます。社員には環境保全活動を行うための休暇を与えたり、製品のリサイクル・修理サービスを積極的に提供したりと、“理念と行動の一致”を守り抜いているのが特徴です。

Netflix

Netflixは、独自の企業文化として

“自由と責任、オープンで率直なコミュニケーション、成果重視、フラットな組織、柔軟な働き方”

を軸に構築されています。自由な働き方を認めつつ、結果に対して高い責任を課すことで、革新的なサービス開発と優れたユーザー体験の提供が可能になっています。その文化が同社の成功の一因となっているとされています。

自社にとって最適な企業文化をつくり、維持するには

最後に、自社の成功の一因となる最適な企業文化をつくり、維持する方法をみていきましょう。各社ごとに、最適な企業文化の形は異なります。組織規模や事業内容、社員のバックグラウンドなどを踏まえ、“自社らしさ”を反映させることが肝要です。

現状の把握

まずは自社の歴史や現在の企業風土を客観的に見直し、強みと弱みを分析します。過去の成功体験が現在でも活きているのか、新たに見直す必要があるのかチェックが不可欠です。

理念の策定

自社の存在理由を改めて定義し、そのうえで社員が共感しやすい形で経営理念やビジョンを文章化します。リーダーはこれを継続的に発信し、企業文化の中核に据えることで、全体が同じ方向を向きやすくなります

目標の設定

理念をもとに、中長期的な企業目標を設定します。“売上”だけでなく、“社会的にどのような価値を創出するか”という観点を盛り込むことで、100年企業を目指すような長期視点の目標を立てることができます。

社員の参加

企業文化はトップダウンで決まるものではありません。社員の意見を積極的に吸い上げるために、ワークショップやプロジェクトチームを組成して、一緒に企業文化を形作るプロセスをつくりましょう。社員が企業文化に共感し、自ら進んで企業文化の醸成に取り組み、それを維持しようとするような環境と雰囲気をつくります。

可視化

企業文化を社内に定着させるには、ビジョンやバリューをポスターなどのツールで常に目に入る形にし、研修や評価制度にも反映することが重要です。一目で組織の方向性を再確認できる仕組みが、社員の一体感を高めます。

持続的な改善

企業文化は一度つくれば終わりではなく、継続的に見直しアップデートしていく必要があります。定期的なアンケートや懇談会を開催してフィードバックを収集し、問題点を修正しながら、時代や事業環境の変化に応じた柔軟性を保ちましょう。

まとめ

企業文化は、リーダーの強い意志と社員の納得感が結びつくことで、長期的に企業を支える大きなエンジンとなります。100年企業を目指すような場合、事業継承を繰り返しながらも創業時の理念や価値観を大切にしつつ、時代の変化に合わせてアップデートを続けることが肝心です。てしまった場合は、社会からの評価や競争力を失うだけでなく、その回復と改革は一朝一夕には進まず、長期的な業績不振に陥る恐れもあります。

産業タイムズ社の代表取締役会長で長年にわたり半導体記者を務めた泉谷渉氏は、素材産業界における100 年企業の強さの要因として、企業文化の継続性が高く、長期的な視点をもって事業と雇用を守り、組織力を発揮して危機を乗り越えてきたことをあげています。

ピーター・ドラッカー氏が指摘したように、企業文化は優れた戦略を超える力を持ちます。もし組織が戦略に基づいて変革しようとしているなら、まずは現場や社員の行動、組織風土を大切に育てることが不可欠です。リーダーシップを存分に発揮し、共感・納得・参加を土台にした「自社に最適な企業文化」を築き上げることで、社員が誇りを持ち、社会からも支持される持続的な企業へと成長できるでしょう。

著者

一般社団法人100年企業戦略研究所

この国に1社でも多くの100年企業を創出することを目指して。
『100年企業戦略研究所』は、長寿企業に学ぶ経営哲学・リーダー論・財務戦略に加え、東京を中心とした都市力に関する調査・研究など、100年企業を実現するための企業経営のあり方についての情報を発信しています。

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