今こそ「メールマーケティング」に取り組むべき理由~経営者こそ知っておくべき、マーケティングのトレンド[第5回]

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企業活動においてマーケティングの重要性は誰もが知るところです。しかしその手法は日進月歩であり、時流に合わせて常に進化させなければなりません。

経営者だからこそ知っておきたい、最新のマーケティング事情に迫る本連載。今回は「メールマーケティング」に焦点を当てていきます。

まだまだ活用できる「メールマーケティング」

メールマーケティングとは、既存/見込み顧客とメール配信を通じ、コミュニケーションを図る手法です。

近年はSNSの発達により、人々のコミュニケーション手段が大きく変容したなか、メールマーケティングをひと昔前のものと考える人もいるでしょう。しかし総務省の情報通信政策研究所が発表した『令和元年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査』によると、全年代(10~60代)平均では、平日のインターネット利用時間のうち、最も長かったのは「メールを読む・書く」で、34.6分という結果が出ています。「ソーシャルメディアを見る・書く」は32.3分で僅差に迫っていますが、それでもまだメールが優勢という事実は変わりありません。

もちろん若年層におけるSNS優勢の傾向は明らかで、10~20代に至っては、いずれも60分を超えています。しかし50~60代においてはメール優勢の傾向が顕著で、特に50代は45分を超えていました。このように全世代の傾向を俯瞰した時、メールはマーケティングの手法としてまだまだ健在であることが見えてきます。

少子高齢化が進む日本で、特に30代~高齢者をメインターゲットとする事業では、いま一度メールマーケティングの持つ可能性に注目するのも良いでしょう。

メールマーケティングの手法

メールマーケティングは、非常に幅広い内容を展開できます。以下にその代表的な手法を見ていきましょう。

■情報配信

新製品の発表情報やキャンペーン開催、セールや割引実施の案内などを配信する、最も基本的なメールマーケティングです。

サンクスメール

ネット通販などを通じ、自社商品やサービスを購入した顧客に送信します。御礼はもちろん、注文内容や支払い方法、配送状況などの確認にもなります。

メールマガジン

従来のメールマーケティングでかなり活用された手法です。しかしこちらも「最新のテクノロジーを活用し、読み進めたくなる内容を盛り込む」、「配信時間を分散してブロックを避ける」などの手法を採用することで手応えを感じられるようになります。

ステップメール

顧客の資料請求や商品購入日を振り出しに、一定間隔で複数のメールを順番に配信する手法です。あらかじめ作成したメールの自動配信を、システム化することも可能。内容はサービス利用の解説などが主体です。

リターゲティングメール

従来のメールマーケティングでは、すでに収集済みのメールアドレスの中から、性別や年齢などの属性を考慮してターゲティングするのが一般的でした。しかし近年はテクノロジーの発達に伴い、ネットワーク上の行動や購入履歴などからより正確なターゲティングが可能になっています。特定の行動を取っているユーザーを見込み顧客とみなし、適切なメールを送信すると、メール送信が高いマーケティング効果を発揮します。

休眠発掘メール

過去に購入履歴を持つ顧客へ、再アプローチする手法です。企業の財産といえる過去の顧客データを最大限に活用し、関係の活性化を促進させます。

中小企業こそメールマーケティングに取り組むべき理由

ここまでメールマーケティングの概要と、手法例を紹介してきました。そこで以下に、中小企業こそ取り組むべき、メールマーケティングのメリットを紹介していきましょう。

■導入ハードルが低い

マーケティングの代表例としては広告制作などが挙げられますが、数十万~数千万円の費用がかかります。それらに比べ、メールマーケティングはコストを低く抑えることが可能です。

また近年は自社システムでメールマーケティングを行わず、外部サービス(クラウド型/オンプレミス型)を活用することも可能となっています。その利用費は月額数千円からというものもあり、とてもリーズナブルです。

■前例が多く、好例の模倣が容易

メールマーケティングは、インターネットを活用したマーケティング手法として、長い歴史があります。そのため豊富な前例があり、真似できる事例はネットなどで比較的容易に入手が可能です。新たなメールマーケティングのスタートに大いに役立ちます。

■高い投資効果が期待できる

先述の通り、近年のメールマーケティングはターゲティング精度が向上しているうえ、外部システムを活用しながら少人数の担当者で運営することが可能です。このため適切に運用できれば、高い投資効果を実感できます。またメールマーケティングは「送ったら終わり」ではなく、開封率やクリック・コンバージョン率などをきちんと分析することが大切です。一般的な外部サービスは分析機能を搭載していますので、効果測定を実施し、適切に精度を高めていくことができます。

デメリットにも留意を

中小企業が改めて注目すべきメールマーケティングですが、デメリットにも留意しておきましょう。

まずメールマーケティングの核となるのは、中身です。ユーザーの関心を惹くため、常に魅力的な内容を心がけるのは簡単ではありません。取り扱う商品や送信ターゲットを広げすぎてしまうと、担当者の負担は重くなる一方なので注意しましょう。

また配信メールは、一度迷惑メールとして扱われてしまうと、以降はいくら送信しても報われない結果となってしまいます。こうした事態を招かないよう、件名や送信頻度に注意するのはもちろん、セキュリティ強化を図って、ドメイン評価を下げないように務める必要があります。

ウィズコロナ時代の昨今において、企業は消費者とインターネットで緊密な関係を築いていかなくてはなりません。メールマーケティングの可能性を追求し、新たなビジネスチャンスの創造へ役立てていきましょう。

著者

株式会社ボルテックス 100年企業戦略研究所

1社でも多くの100年企業を創出するために。
ボルテックスのシンクタンク『100年企業戦略研究所』は、長寿企業の事業継続性に関する調査・分析をはじめ、「東京」の強みやその将来性について独自の研究を続けています。

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