ゴルフの進化を支えるITとは?クラブ以外にも進化する技術
目次
※百計オンラインの過去記事(2016/01/30公開)より転載
積極的に取り入れるべきゴルフにおけるIT技術
毎年のように新しく発売されるゴルフクラブの進化には目を見張るものがあります。現在ではクラブやボールの進化に伴い、いわゆる「飛び過ぎ」を規制するルールも設けられ、長さや反発係数など規定数値内の道具でなければ公式の競技では使用できないことになっています。
だが、一般的なアマチュアゴルファーがクラブに求める性能と言えば、やはり「飛ばし」ではないでしょうか。しかもただ単純に飛ぶだけではなく、良いスコアでラウンドできることを求めてしまうのがゴルファーの正直かつ欲張りなところです。
そこで今、注目を集め市場を拡大しているのが「ゴルフ×IT技術」です。実際に例を挙げると、スコア管理システムや距離計測、コースナビゲーションやスキルアップのための練習方法にいたるまで、ゴルフ界にIT技術が導入されてきています。
より快適なセルフプレーの時代がやってくる
ひと昔前の日本で見られたゴルフスタイルはキャディ付きのものでしたが、バブル崩壊以降、ゴルフ場の数こそ大きく減ることはなかったものの、人件費の削減や、低価格競争で生き残るためにセルフプレーのコースが増えています。
本来、欧米ではセルフプレーの方が一般的ですが、日本に関してはゴルフ人口全体の約50%がキャディ付きでゴルフを覚え、楽しんだ世代です。そんな世代がセルフプレーに違和感を覚えるのは無理もないですが、IT技術はそんな中高年世代でも楽しむことができる快適なセルフプレーを実現してくれます。
例えば、距離計測。これまでは残り距離を記す杭などを目安にするのが一般的でしたが、「ユピテル」や「グリーンオン」などGPS搭載のゴルフ専用距離測定機を利用すれば、自分の位置からグリーンエッジ、グリーンセンター、グリーン奥といった細かい距離を計測することができます。ポケットに入る小型のものから腕時計タイプのものまで様々なモデルから選べるラインアップにも注目です。ぜひ、この機会に自分のスタイルに合うお気に入りのタイプをみつけてみてはいかがでしょうか。
また、「ブッシュネル」や「ニコン」などのレーザータイプの距離計測機は、プロツアーで活躍するプロキャディたちも練習ラウンド時に使用しており、プロをはじめ公式競技などに出るアマチュアの上級者達にとっての必需品となっています。レーザーを当てた位置までの距離が計測でき、モデルによっては打ち下ろしや打ち上げも計算した数値を出してくれます。正確な距離の把握はショットへの不安をなくすことにつながり、その先にはナイスショットの確率が上がるという結果が待っているはずです。
コストをかけずに好スコアを手に入れる
距離測定機は高性能であればあるほど価格もそれなりに高くなりますが、最近はスマートフォンでもプロ向けのツールと遜色ない距離計測機能をもった無料アプリが開発されています。残り距離の計測だけでなく、自分が打った軌跡の履歴を残すことができるタイプなど、その機能はますます便利に進化しています。
スマートフォンのアプリといえば、ゴルフネットワーク社の「GOLF NETWORK PLUS」など、スコアを管理するタイプの人気も高いです。コースのスコアカードに書き込むのは誰もがやりますが、それを保管している人は少ないのではないでしょうか。自分の力量を把握することも上達には必要なことであり、それをデータベースとして残すだけでも、スキルアップに大きく役立つでしょう。
また、スマートフォンのカメラを使ってスイング動画を撮影し、そこに線を書き込めるスイングチェックアプリもあります。練習場で黙々と球を打つだけの時代から、効率的に上達する練習環境がITによって整いつつあります。
最新機器でスイングの弱点が丸裸に
上達するにはやはり練習あるのみです。ただ、自分のスイングを分析する機会というのはスクールにでも通っていない限り、なかなかないものです。そこでご紹介するのが「フルミエル」や「M-Tracer」といった、PCやウェアラブル端末と連携させることで、スイング分析が可能となる機器です。クラブに専用のセンサーをつけ、Bluetoothなどを使って画像に落とし込むシステムのおかげで、スイング軌道はもちろんのこと、インパクト時のフェースアングルやヘッドスピード、スイングテンポなども解析することができます。今まで見えなかった部分が明確になることで、上達のスピードは間違いなくアップするでしょう。
ゴルフは動いている球を打つときのような反射を使うことができないので、止まっているボールを打つところに難しさがあるといわれています。それはつまり、自分の動きを自分で管理しなければならないということです。今回紹介した「ゴルフ×IT技術」を活用し、ラウンドや練習に取り入れることで、何年も更新できなかったベストスコアをいとも簡単に超えるサポートができるかもしれません。
著者
株式会社ボルテックス 100年企業戦略研究所
1社でも多くの100年企業を創出するために。
ボルテックスのシンクタンク『100年企業戦略研究所』は、長寿企業の事業継続性に関する調査・分析をはじめ、「東京」の強みやその将来性について独自の研究を続けています。