事業承継や相続について考え始めた経営者は一体誰に相談するべきか? ~経営者が理解しておきたい事業承継[第3回]

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中小企業庁が発表した「中小企業・小規模事業者における M&Aの現状と課題」によると、2025年までに70歳を超える中小企業・小規模事業者の経営者は、約245万人に上ります。その約半数が後継者未定の状態にあり、現状を放置すれば中小企業・小規模事業者の廃業が急増することになるでしょう。このような未来を前に、事業承継に不安を抱える経営者は多いのではないでしょうか。

そこで、日々事業承継に関する相談に対応する円満相続税理士法人の税理士・桑田悠子氏へのインタビューを3回にわたってお届けします。最終回となる今回は、事業承継についてはお抱えの顧問税理士よりも、相続専門の税理士に聞いた方がいい理由を解説します。

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事業継承は専門の税理士に任せた方がいい理由

私たちの元を訪れる中小企業経営者は、事業承継を視野に入れています。でも、ちょっと待ってください。多くの企業はすでに税理士と顧問契約を締結しているはずですよね? なぜ彼らのほかに、専門の税理士にも相談するのでしょうか。

実は、顧問税理士は、相続や株価算定に特化している訳ではなく、「日々の会社経営の経理・税務面からのサポートや、資金繰りなどの課題解決のサポートをする」というところにあります。良い悪いではなく、相続専門の税理士とは業務範囲が異なるのです。

税理士の業界を、医師の業界と重ねてイメージしていただくと、分かりやすいかも知れません。精神科医が、外科の手術を担当することはありません。目の調子が悪い場合は眼科に、鼻の調子が悪い場合は耳鼻科にといった具合で、症状により受診先の専門医が変わるのと同じです。

ですから、「いま自分が悩んでいる問題の主治医」として、相続専門の税理士をどんどん活用するべきだと言えるでしょう。経営者は必要以上に顧問税理士へ気兼ねする必要はないのです。

事業承継の事例を紹介

コロナ禍の株価下落で承継時期が早まったケース

最近の事例では、コロナ禍での株価下落を機に、事業承継を果たした方がいらっしゃいました。もともと高い株価をキープしていた企業だったので、コロナの影響で一時的に価値が圧縮されることで、税負担の少ない承継を実現できたのです。

ただし、この方は数年前からご子息へ事業を承継することを決めており、地道に準備を進めていらっしゃいました。コロナ禍をチャンスと捉えたため、実行が少し早まったということです。事業承継にはさまざまな要素がありますので、「株価が下がったから」などの理由だけで急ぐのはオススメできません。

新事業承継税制を上手に活用した事例

企業の代表が65歳を前に突然死されたというケースです。この事例では、幸い奥様が役員を務められていたため、いったん新事業承継税制を活用し、事業を承継しました。その後の話し合いの中で「将来的には、長男が事業を承継する」という方針が定まったため、現在、人的財産や知的財産の承継作業を進めています。

突然死をはじめとする不測の事態から事業承継を考えなくてはならないケースの場合、選択肢が狭められてしまうこともあります。「親族を後継者に考えており、事業承継税制の適用もあり得る場合、その後継者を早めに役員へ加えておいた方がいい」という好例なのではないかと思います。その理由は、先代がお亡くなりになった直前に、役員に入っていた方しか、事業承継税制で後継者となることができないためです(お亡くなりになった時の年齢が60歳未満である場合等を除く)。

相続や事業承継に強い税理士の見極め方

税理士事務所の中には、「ウチは顧問業務も相続も、すべて任せられる税理士事務所です」と謳っているところもあります。しかし、「全部できる」ということは「各分野の専門性が平均的である」ともいえます。依頼はしたものの、結果に不満が残るというケースもあるのです。

相談に訪れる方が抱かれている懸念を一つひとつ分析し、紐解いていくのが専門家の仕事です。積み重ねた実績とノウハウを以て、問題の打開策を提案する税理士が望ましいでしょう。どの税理士が自分の会社の承継にとって最適かを判断するためには、セカンドオピニオン制度を設けている税理士もいますので、積極的な活用をオススメします。

相続や事業承継に強い税理士事務所と出合うための留意点

まず税理士事務所が手掛けている『相続税申告実績』はきちんと確認しておきたいところです。一般的な税理士事務所では、年間で扱う相続税申告は1~2件程度のところもあります。対して私どもは、2020年の1年間で151件の相続税申告を手がけました。

また、大手税理士事務所はスタッフの数こそ多いものの、実は税理士資格を有していない人員をメインに構成されている場合もあります。

実際の作業や、ご契約後の担当者は、無資格者となるケースもあるのです。ですから、税理士事務所に面談などに訪れる際は「もし正式にお願いすることになりましたら、あなた(税理士)が最後まで担当してくれますか?」と確認すると良いでしょう。

まとめ

全3回にわたってお届けしてきた、円満相続税理士法人・桑田悠子氏へのインタビューは、ここまでとなります。

日々、事業承継に関する相談に乗っている桑田氏には、多くの経営者がつまずくポイントや新事業承継税制の概要(第1回)のほか、企業の価格算定方法と所有不動産の処遇(第2回)、そして事業承継のパートナー選びの方法(第3回)にいたるまで、事業承継の全体像を解説してもらいました。

本連載で見てきた通り、事業承継には綿密な計画が必要です。円滑な手続きのために、ときには専門家の助言も仰ぎながら、着々と準備を進めていくことをおすすめします。

円満相続税理士法人
相続専門の税理士事務所。相続税の計算の一つひとつを税理士自らが行うなど、専門性の高い相続の専門家が一貫して顧客を担当することがこだわりであり強み。一人ひとりの気持ちを考えながら、最善の相続や事業承継の実現を支援している。公式サイトにて、相続や事業承継に関する内容を、分かりやすくまとめた動画コンテンツを豊富に掲載。テレビ会議システムを活用したセミナーも随時開催中。

お話を聞いた方

桑田 悠子

円満相続税理士法人 代表社員税理士

学生時代にアパレル・化粧品事業を開業した後、祖父の死をきっかけに相続のプロになることを決めて税理士業界に飛び込む。税理士法人山田&パートナーズを経て、円満相続税理士法人のパートナーに就任。相続や事業承継を手掛けるほかに、弁護士法人・税理士法人・一般企業などを対象とした相続税研修会や、事業承継研究会などを開催。「難しいことを、分かりやすく、穏やかに話す」ことが特徴。生前対策・事業承継対策・相続税申告を数多く手掛け、SNS での発信も人気の相続専門税理士。
円満相続税理士法人:https://osd-souzoku.jp/
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