TOKYO街COLORS-銀座編- VORTのある街
目次
明治の頃から日本屈指の商業都市として名を馳せてきた銀座。100年を超える老舗と流行をリードする店や施設が融合する稀有な街は、日本一地価が高いことでも知られています。今も進化を続ける憧れの街・銀座の魅力を探りに出かけましょう。
“銀ぶら”はオシャレな証 新しい文化を生むハイカラな街
「銀座」の地名は江戸時代、この地に銀貨の鋳造所が置かれたことに由来します。当時は主に職人が住む街だった銀座に現在の礎が築かれたのは明治初期のこと。1872(明治5)年の大火による焼失後、西欧風の街づくりが行われたのです。
街は碁盤の目に整備されて煉瓦造りの建物が建ち並び、歩行者天国が有名な中央通りの道路幅もこのときに拡張されました。折しも1872年は新橋と横浜を結ぶ日本初の鉄道が開業した年。新橋駅にほど近い銀座には舶来品や珍しい商品を扱う店が増えていきました。今も、銀座の象徴である時計塔がそびえる商業施設「和光」をはじめ、文具専門店「伊東屋」、玩具専門店「博品館TOY PARK」など明治創業の老舗が街に点在しています。
グルメの“元祖”が多いのも銀座の特徴の一つです。有名なのは「銀座木村屋」のあんぱんでしょう。1874(明治7)年に誕生したあんぱんは酒種を酵母にした生地にあんを詰めたもの。その技術と伝統は今に受け継がれています。他にも洋食店「煉瓦亭」考案のオムライスやポークカツレツ、「資生堂パーラー」が製造・販売した日本初のソーダ水など、明治から大正にかけて新しいグルメが次々に登場。当時はハイカラだったこれらのグルメも、今では老舗の味として人々に親しまれています。
また、銀座にカフェ文化が花開いたのもこの頃です。現存するカフェでは日本最古とされる「カフェーパウリスタ」は1911(明治44)年創業。芥川龍之介や菊池寛、佐藤春夫といった作家・詩人たちが集う文化の発信地でした。最先端の街として多くの人が訪れるようになった銀座。やがて「銀座をぶらぶら歩く」こと自体が粋でオシャレな証とされて、“銀ぶら”という言葉が生まれたのです。
土地価格は34年連続日本一 数字に裏打ちされた価値
地理的な環境も銀座の魅力を語るには欠かせない要素です。日本の経済・金融の中心地である丸の内や日本橋に近いためオフィスビルが多く、3つの路線が通る東京メトロ銀座駅は東京メトロ全駅で4位の乗降客数(一日約26万5,000人)を誇ります。また、同東銀座駅・銀座一丁目駅、JR有楽町駅・新橋駅の利用も可能。流行の中心地であり利便性も高いことから、昔から新聞社や出版社、広告代理店などが多く、今も地方放送局や地方新聞社の東京支社が数多く置かれています。
明治の大規模開発から100年が過ぎ、高級商店街として成熟した銀座ですが、そこに新風が吹き込みます。90年代半ばに入ると海外のラグジュアリーブランドの旗艦店が次々と出店したのです。2000年代には「ブルガリ」や「エルメス」、「アルマーニ」などのアーティスティックで高級感あふれる建物が登場し、銀座を国際的かつ文化的な街として海外に発信する役割を担いました。一方で、「ユニクロ」や「ZARA」などのファストファッションブランドも進出。格式高いイメージの街に親しみやすさをもたらしています。
歴史と利便性に加えて国際性、柔軟性を持ち、日本を代表する商業都市となった銀座の価値は、地価の高さにも表れています。今年7月に発表された2019年1月1日時点の路線価で5丁目の文具店「鳩居堂」前が1㎡当たり4,560万円と、34年連続日本一を記録したのです。しかも3年連続で過去最高額を更新しました。バブル期の価格を超え、なお上昇を続ける銀座の地価。その秘密は大規模再開発にあります。
時代を捉えた街づくりで革新を続けていく銀座
代表的な再開発といえば2013年に開業した「GINZA KABUKIZA」でしょう。歌舞伎座の老朽化にともなって建て替えられた歌舞伎座とオフィス棟「歌舞伎タワー」から成る複合施設で、タワーには歌舞伎の舞台で使われる小道具や楽器に触れられる体験型施設「歌舞伎座ギャラリー」も併設しています。
2016年には数寄屋橋交差点に面した商業施設「東急プラザ銀座」がオープン。江戸切子をモチーフにしたガラス張りの外観が話題を呼びました。都内最大規模を誇る空港型市中免税店のほか、日本ブランドの商品が並ぶフロアが広がっています。
そして銀座エリア最大の複合施設として2017年4月に開業したのが「GINZA SIX」です。松坂屋銀座店の跡地を含む2区画を再開発したこの複合施設には、240以上のテナントが入る商業施設や大規模オフィス、ツーリストサービスセンター、さらには東京・渋谷から移築した「観世能楽堂」が配されました。
これらの再開発で共通するのは日本の文化や伝統美を取り入れているところ。2020年のさらに先を見据え、インバウンド増加に応える街づくりが、銀座の価値を確固たるものにしているのです。
現在、銀座ではホテルの開業ラッシュが続いています。2018年に外資ハイアット系の「ハイアット セントリック 銀座東京」がアジア初上陸し、今年4月には「MUJI HOTEL GINZA」がオープン。良品計画が手掛けるMUJI HOTELはインテリアやアメニティのほとんどが「無印良品」のグッズ。「アンチゴージャス、アンチチープ」をコンセプトにしたシンプルで落ち着いた空間が、銀座の新スポットとして注目されています。さらに、2021年には外資マリオット系の「東京エディション銀座」も開業予定です。
伝統を大切にしながらも革新を続ける銀座。これからも世界中の人々を魅了し、その進化から目が離せないエリアと言えるでしょう。
■銀座エリアのVORTシリーズ
ボルテックスが提案する新しい不動産戦略「区分所有オフィス®」。
VORTシリーズとは、その優れた収益性・流動性の“象徴”ともいうべきハイクオリティ・ブランドです。
※「区分所有オフィス」「VORT」は株式会社ボルテックスの登録商標です。
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[編集]株式会社ボルテックス ブランドマネジメント課
[制作協力]株式会社東洋経済新報社