モノを人と分け合う「シェアリングサービス」現状と課題〜中小企業経営者のための注目の経営トピックス[第9回]

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これまでモノは「所有する」ことが当たり前でした。しかし近年、人とモノを「共有する」ことを前提としたサービスが急拡大しています。

メディアでも注目されている企業経営に関するトピックスを解説する本連載。今回は活況を呈す「シェアリングサービス」の概要をみていきます。

「シェアリングエコノミー」とは?

「シェア」は「分ける、共有する」という意味を持つ言葉です。

近年はインターネットやデバイスの普及に伴い、その意義をビジネスへ上手に取り込む動きが見られるようになりました。シェアリングサービスはどのように経済を活発化させているのでしょうか? 以下に見ていきましょう。

【図表1】シェアリングサービスによる経済活性化

まず注目したいのは、企業と個人事業主の関係です。特定の企業に属さない個人事業主はこれまで、仕事を得るために多数のコネクションを確保しておく必要がありました。しかし、インターネット上やスマートフォンアプリで展開されているシェアリングサービスに登録すれば、自宅で案件探しから営業(応募)まで可能になります。

このシステムは企業にも好評です。優秀な外注スタッフを効率的に選出できるため、新規事業立ち上げもスムーズになるからです。こうした企業と個人事業主の新しいマッチングのかたちは「クラウドソーシング(クラウド=群衆)+(ソーシング=業務委託)」と呼ばれています。

また企業には「サービスのプラットフォーム作りに乗り出す」という展開案も考えられます。その方法論、そしてエンドユーザーとの関わり方について、具体的な事例と共に紹介します。

シェアリングサービスの事例

現在、どのようなシェアリングサービスが人気を集めているのでしょうか。タイプ別に見ていくことにしましょう。

【図表2】タイプ別、人気のシェアリングサービス

上記以外にも、クラウドファンディングはシェアリングサービスのひとつと考えられています。今後もシェアリングの多彩な展開案が登場してくるに違いありません。

シェアリングサービスの課題

時の勢いを感じさせるシェアリングサービスですが、課題もあります。以下に見ていきましょう。

■安全性

シェアリングサービスにおいて、モノやサービスの提供者は企業ではなく個人であり、マナーの悪い利用者によってトラブルが発生するリスクがあります。たとえば民泊。部屋を貸し出した結果、多額の修繕費がかかるほど荒らされた、騒音やゴミの出し方などで利用者と近隣住民がトラブルになった、などの事例が報告されています。

個人同士をつなぐプラットフォームを利用する際に、免許書や保険証など、公的な身分証明書を使って本人確認をしたり、不正や偽物がないか審査を行ったりなどすれば、万が一トラブルが起きたときでも安心です。

■法整備が追い付いていない

シェアリングサービスによって起きた事故やトラブルに対して、既存の保険では対応できないことがほとんどです。なぜなら、まだまだ新しいビジネスであるため、想定外のトラブルが発生することも多く、法整備や対策が追い付いてないからです。サービス提供者が補償のため、多額の出費を余儀なくされるリスクはゼロではありません。

昨今は、シェアリングサービスに対応した保険も徐々に増えています。プラットフォーム事業者とサービス提供者、サービス利用者、三者で発生する賠償責任を総合的に補償する保険や、民泊を想定した専門性の高い保険など、今後も様々な商品が登場する可能性があります。まだまだ十分とはいえませんが、企業が安心してシェアリングサービスを展開できる土台が整いつつあります。

シェアリングエコノミーの根底には「ネットやデバイスを活用し、必要としているサービスや仕事を効率的に得る」という利便性の追求があります。同時に「所有にこだわらず、皆で分け合えばよい」という、シンプルな消費スタイルへの提案も含まれています。実際、若年層を中心に、人と共有することに抵抗感がないという人が増えています。

情報社会のなかで、限りある資源を大切にしながら生きていく未来の地球人にとって、シェアリングエコノミーは良質な選択のひとつです。また消費者の志向も大きく変化しているのも事実。「これまで参入を考えたことはなかった」という経営者にも、自社業務との接点を模索し始める時期が、訪れているのかもしれません。

著者

株式会社ボルテックス 100年企業戦略研究所

1社でも多くの100年企業を創出するために。
ボルテックスのシンクタンク『100年企業戦略研究所』は、長寿企業の事業継続性に関する調査・分析をはじめ、「東京」の強みやその将来性について独自の研究を続けています。

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