リーダー必見! 困り者ほどよく育つ?最強の人材の育て方3つ

※百計オンラインの過去記事(2016/07/24公開)より転載

21世紀に求められる“尖った人材”

日本を代表する経営コンサルタントの大前研一氏は、ICT(情報通信技術)の発達が進む21世紀の低欲望社会=モノやサービスを積極的に消費しない時代では、既存の企業がこれまで採用してきた戦略がことごとく機能しなくなると指摘しています。その上で、日本企業が勝ち抜くためには「性格の悪いやつから採用すべき」と語っています。

ここで言う「性格の悪いやつ」とは、言い換えれば“尖った人材”のことです。人とは違った視点を持ち、人の思いつかないようなことを発案し、自ら実行できる人材を指します。20世紀はクオリティの高い人間を数多く集めることが企業の成長に直結していましたが、21世紀に必要なのは独自の“構想力”を持った人間で、そういう人間を“いかにして育てるか”ということが企業にとって大切になります。

尖った人材は育てられる!

低欲望社会にヒットする商品やサービスを生み出すためには、他者にはない発想を生み出す尖った人材を見極め、受け入れて、活躍の機会を与えていかなければなりません。では、そうような尖った人材は、どのようにして育てていけばよいのでしょうか。

1. 問題意識を持った人間が活用される企業風土を作る
仕事上のさまざまな場面において、現状に問題があると指摘してくる人間は、組織、上司にとっては扱いにくく煙たい存在になりがちです。中には不平不満をぶつけているだけの人間もいるかもしれません。しかし、前向きな問題意識を持ち、人とは違った視点を具えているからこそ、その指摘ができるという場合もあります。

上司としては問題を発見し、指摘してきた部下に対して、解決策を考えていけるように導いていくことが大事になります。そうすることで、自由な発想を持った優秀な人材が、より能力や意欲を発揮できるようになります。

これまでの日本企業では、組織の和や慣習が重んじられる傾向がありましたが、結果として『出る杭は打たれる』ことになりがちでした。際立った個性や才能を持つ人間を埋もれさせず、能力を活かせる企業風土づくりを進めてくことが必要です。

2. 尖った人材の能力を引き出す「メンター」の存在
日本学術振興会サンフランシスコセンター長の井筒雅之氏は、ICT業界の人材育成についての講演の中で、尖った人材について「極めて高い集中力や突破力、攻撃力を備えた人材」と位置づけています。その上で、場合によっては性格に多少難がある、こうした人材の能力を組織の中で引き出すためには「メンター(メンタリング制度を請け負う人材)を育て、メンタリング(組織内の人材に、相談・助言できるようにすること)できる体制が必要不可欠」と語っています。所属部署の直接の上司とは別に、業務の相談にのって指導や助言を行ってくれる人間の存在が、尖った人材を組織内で孤立させることなく、その能力を発揮させるための鍵になります。尖った人材を育てていくためには、メンター自身を育成する制度も必要になります。

3. 尖った人材同士が切磋琢磨する環境づくり
かつて、“出るクイ求む”という求人広告を打ち出したソニー。そのソニー出身の横田宏信氏がイノベーティブな人材を育成するために開発した研修プログラムの「出る杭研修」では、参加者は横田氏が提示する議題について数十回のグループ討議とプレゼンテーションを重ねていきます。常識や既存の事業にとらわれることなくクリエイティブな発想のできる人間になるためには、物事を“深く・広く・正しく”考え、かつその考えをきちんと主張する能力を備えていなければならない、というのがこの研修の基本理念です。尖った人材同士が切磋琢磨することで、さらに能力に磨きをかけ、最強の人材となることができるのです。

適材適所で人材を投入することが肝要

現状を打破できる能力を持った人材を発掘し、その人材の能力を高めていくことができたなら、次はその能力を発揮させられる場を与えなければなりません。適材適所を意識し、時代のニーズやマーケットの変化に合わせて、いかに効果的に人材を投入していけるか、経営者の手腕が問われるところです。

著者

株式会社ボルテックス 100年企業戦略研究所

1社でも多くの100年企業を創出するために。
ボルテックスのシンクタンク『100年企業戦略研究所』は、長寿企業の事業継続性に関する
調査・分析をはじめ、「東京」の強みやその将来性について独自の研究を続けています。

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