TOKYO街COLORS-水道橋編- VORTのある街
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神田川と外堀通りを挟んで北にレジャーランドや名勝、南に学生街が広がる水道橋。多くが文教地区であるため環境も良好で大企業のオフィスも目立ちます。江戸時代から積み重ねてきた成熟した文化にさらなる発展が光る水道橋エリアを巡ります。
大人も子どもも楽しめる総合レジャーランドが中心に
JR水道橋駅を出ると北側にそびえるひと際高い建物。「東京ドームシティ」に位置する地上43階建ての「東京ドームホテル」です。東京ドームシティは読売巨人軍の本拠地である日本初の全天候型多目的スタジアム「東京ドーム」を中心に、遊園地やスポーツ施設、商業施設、ミュージアムなど20以上の施設からなる巨大な総合レジャーランド。プロレスやボクシングの試合が催される「後楽園ホール」があることから格闘技の聖地としても知られています。じつは、東京ドームシティ全体の来場者数は年間4000万人近く。テーマパーク入園者数1位を誇る東京ディズニーリゾートが3250万人ほどですから、その賑わいぶりがうかがえます。
東京ドームシティはもともと、日本でプロ野球リーグが始まった翌年の1937年に竣工された後楽園スタヂアムが始まり。この名は西に隣接する特別名勝の「小石川後楽園」に由来しています。江戸時代初期、水戸徳川家の江戸上屋敷内につくられた回遊式築山泉水庭園です。梅が有名な水戸に縁があるだけに約90本もの梅の木があり、毎年2月には梅のイベントが開催され、多くの人が訪れる園内。かつては神田上水から水が引かれていました。
神田上水とは江戸開府の際につくられた日本最古の上水道。江戸城に水を送るためにちょうどこの地域で神田川の上に樋が架けられました。これが水道橋と呼ばれる所以です。JR水道橋駅から北東に徒歩8分のところにある「東京都水道歴史館」には、神田上水の石樋が移築・保存されています。
学生街、オフィス街として周辺環境も充実した活気ある水道橋
東西に外堀通り、南北に白山通りや目白通りが走り、首都高速5号池袋線も通る水道橋エリア。鉄道もJR、都営地下鉄が利用できる水道橋駅、東京メトロ後楽園駅のほか、飯田橋駅や九段下駅が利用可能な利便性の高さから、トヨタ自動車の東京本社をはじめとして、KDDI、大塚商会、ミスミグループ、大和ハウス工業東京本社といった大手企業がオフィスを構えています。
また、文教地区に定められた地域が多いため治安が良く、中央大学や日本大学、専修大学、東京歯科大学などの大学のほか、暁星学園、桜蔭学園、白百合学園といった有名私立中学高等学校も点在。世界でも有数の書店街である神保町が徒歩圏内にあったり、能楽や狂言が催される「宝生能楽堂」もあったりと、アカデミックな活気に満ちています。
このような学生が集う街に欠かせないのが安くて美味しい飲食店でしょう。「天ぷら いもや」や「中華そば 勝本」など価格もお手頃な人気店には学生のみならず会社員も列をつくっています。また、とんかつ屋「かつ吉 水道橋店」は三島由紀夫や川端康成、蕎麦屋「松翁」には池波正太郎と、文豪たちが通った名店が点在するのも魅力。東京ドームシティ内にある1962年創業の中華料理店「後楽園飯店」では、読売巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄氏のために考案された「フカヒレの姿煮入り汁そば」が名物で、多くの野球ファンも足を運びます。
一方、このエリアで著名な神社といえば「靖國神社」と「東京大神宮」があげられます。中でも東京大神宮は神前結婚式を創始した神社。縁結びのご利益があるとしてたくさんの女性たちが参拝に訪れています。江戸城の外濠だった外堀通りを挟んで広がる水道橋エリアは、近世・近代に生まれ、育まれてきた日本の文化に出合える場所でもあるのです。
ニーズに応じて続々竣工 さらなる活性化へ
アクセス至便な水道橋は宿泊ニーズが高いことも特徴です。東京ドームホテル(1006室)のほかにもパレスホテル東京の姉妹ホテルとして開業した「ホテルグランドパレス」(458室)、JR東日本グループの「ホテルメトロポリタン エドモント」(668室)などの大型ホテルが点在しています。
さらに近年は個性的なホテルも増加。1935年創業の老舗ながら2009年に新たに開業した「庭のホテル 東京」は中庭が季節の移ろいを感じさせる和の情緒あふれるホテル。『ミシュランガイド東京 2019』のホテル部門に10年連続で掲載されました。2019年12月にはオシャレなカプセルホテルとして注目の「ナインアワーズ」がJR水道橋駅徒歩約2分の地に開業。都心の風景を360度見渡せるガラス張りのラウンジが話題です。
駅前には2020年秋開業予定で三井不動産グループ運営のホテル(120室)も建設中。また、飯田橋駅へと向かう線路沿いにも不動産会社のアトリウムが地上9階建てのホテルを建設中で、インバウンドを含めた観光客、ビジネスマンなどの利用者の増加が見込まれます。
オフィスビルでは2014年に飯田橋駅前の再開発で誕生したオフィス、商業施設、住宅棟からなる「飯田橋グラン・ブルーム」が記憶に新しいですが、水道橋駅前にも2019年に住友不動産が地上8階建ての「住友不動産水道橋西口ビル」、東急不動産が屋上庭園を有した地上10階建ての「神保町北東急ビル」と中規模のビルを竣工。前者には大学で研究された技術の社会への実装を目的とし、人とコンピュータの新しい関係をつくる気鋭のベンチャー企業で落合陽一氏がCEOを務める「ピクシーダストテクノロジーズ」が入居、後者には「全農パールライス」が移転するなど、ビジネス街においてもますます充実が図られています。
水道橋は、文化が薫る中にも新しい発展が楽しみなエリアの一つです。
■水道橋エリアのVORTシリーズ
ボルテックスが提案する新しい不動産戦略「区分所有オフィス®」。
VORTシリーズとは、その優れた収益性・流動性の“象徴”ともいうべきハイクオリティ・ブランドです。
※「区分所有オフィス」「VORT」は株式会社ボルテックスの登録商標です。
[編集]株式会社ボルテックス ブランドマネジメント課
[制作協力]株式会社東洋経済新報社