日本酒の選び方。初歩から学べる食事に合った日本酒とは?

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※百計オンラインの過去記事(2016/01/23公開)より転載

花見酒、夏越(なごし)の酒、月見酒、雪見酒に代表されるように、四季のなかで生きる日本人は、古来より季節の移ろいを楽しむという特権を持ってきました。日本酒はそんな豊かさの象徴ともいえるでしょう。日本酒の楽しみ方を学び、日本酒が主役の食事を楽しんでみてはいかがでしょうか。

初めに知っておきたい日本酒の種類

日本酒にはコクがどっしりと深いものから、すっきりと楽しめるものまで幅広い味わいがあります。この香味の違いを生んでいるのが原料と製法であり、日本酒の種類はこれらの違いによって分けられています。

米と米麹のみを使って造られるのが純米酒、特別純米酒、純米吟醸酒、純米大吟醸酒で、甘みやコクのある香味を特徴としています。一方で米と米麹に醸造アルコールを加えたものは吟醸酒、大吟醸酒、本醸造酒、特別醸造酒に分類されています。こちらはすっきりと飲みやすい味わいが特徴です。

また、日本酒のラベルを見ると「精米歩合」という表示があります。これは玄米の表面をどのくらい削っているかを表すもので、削る部分が多く米の中心部を使っているほど香りが高くなるとされています。なかでも「吟醸」の名がつく吟醸造りは「吟味して醸造する」という意味のとおり、特有の香りにこだわった醸造がされています。精米歩合が50%以下の純米大吟醸酒、大吟醸酒は、より香りにこだわった製法といえます。これら8種の日本酒は「特定名称酒」と呼ばれ、このほかの清酒は「普通酒」と呼ばれています。

日本酒の4タイプ:分類による料理との相性とは?

日本酒そのものの味わいを楽しむのもいいですが、食事との相性を楽しめるようになると日本酒の魅力がさらに増すでしょう。日本酒の特徴を大きく4タイプに分類し、それぞれに相性のいい食事をご紹介いたします。

・熟成タイプの日本酒
濃厚な味わいとスパイスのような強く複雑な独特の香りが特徴で、古酒や長期熟成の日本酒がこのタイプにあてはまります。相性のいい料理は、酒に負けない濃い味のものです。ラム肉や鴨など風味の強い食材と組み合わせるのもいいでしょう。

・コクがあるタイプの日本酒
伝統的な日本酒というと思い浮かべられる、どっしりとしたふくよかな味わいを持ち、主に純米酒がこのタイプになります。脂の多い食材や旨みの強い料理との相性が良いです。熱燗にすると旨さがさらに引き立ちます。

・香りが高いタイプの日本酒
果実のような爽やかな香りとすっきりとした味わいで、吟醸酒、大吟醸酒が代表的なものです。冷やでも美味しくいただけますが、冷やし過ぎると香りが薄くなることがあるため常温程度で飲むのをおすすめします。魚介類など素材を活かした料理との相性は抜群です。

・なめらかで軽快なタイプの日本酒
穏やかな香りと軽やかな味わいが特徴で、本醸造酒や普通酒などに多いタイプです。冷やすことできりりとした清涼感ある飲み口を楽しめます。野菜料理やあっさりとした魚介によく合います。

おすすめ銘柄とともに味わいたい料理

上記で紹介した4タイプ分類からおすすめの銘柄を、一緒に味わってほしい料理とともに紹介しましょう。

●熟成タイプ 〜 『睡龍(すいりゅう) 生もと純米酒』
『睡龍』生もと純米酒は、ビンに詰める前に通常2年熟成させるため旨味が濃く、日本酒通好みのお酒です。燗にして飲むのがおすすめです。旨味とキレがあるこの日本酒には、脂ののったブリの照り焼き、ジューシーな豚の角煮など濃い味の料理がいいでしょう。

●コクがあるタイプ 〜 『玉川』
日本酒界唯一の英国人杜氏、フィリップ・ハーパー氏が作っている、京都のお酒です。特別純米酒は華やかでキリッとした辛口です。コウノトリラベルは旨味が濃厚で全体が引き締まった分厚い味わいです。しっかりとしたコクがあるため、ラム肉やしっかりした味つけの料理との相性は抜群です。

●香りが高いタイプ 〜 『マル飛』
秋田県産美山錦を使用した、フルーティな香りが広がるお酒です。『マル飛77』は本物の果実酒のような味わいで食前酒向けであり、オリーブ、生ハムなどの前菜に合います。『マル飛15』は食事と共に飲めるバランスのとれた味です。白身の刺身などに合うお酒です。

●なめらかで軽快なタイプ 〜 『白隠正宗』
富士山の雪解け水が大自然でろ過された湧き水を使用したお酒で、甘みとまろやかさがあると同時にキレがあり飲みやすいです。静岡県沼津のお酒だけあって、魚介類との相性が抜群です。

日本酒の楽しみ方

日本酒の魅力を楽しむには、様々な呑み方を知ることでしょう。常温で楽しむ『ひや』はそのままの味、冷やしていただく『冷酒』はさらっとした味わい、『燗』は30〜60℃と幅広い温度で、そのお酒に合った味わいを楽しむことができます。日本が世界に誇る伝統的なお酒で、自分に合った呑み方を探してみるのもいいでしょう。

著者

株式会社ボルテックス 100年企業戦略研究所

1社でも多くの100年企業を創出するために。
ボルテックスのシンクタンク『100年企業戦略研究所』は、長寿企業の事業継続性に関する調査・分析をはじめ、「東京」の強みやその将来性について独自の研究を続けています。

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