TOKYO街COLORS-赤坂編- VORTのある街

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元赤坂(1~2丁目)と赤坂(1~9丁目)からなる赤坂エリア。政治家が訪れる繁華街として有名ですが、テレビ局や大手企業が社屋を構え、大使館やホテルも点在する多様性豊かな地域。大規模再開発も進む街並みは変化に富み、刺激にあふれています。

大名屋敷跡地につくられた複数のランドマーク

港区の最北に位置し、東は千代田区、北は新宿区と接する赤坂エリア。一説では、外堀通りの赤坂見附交差点から四谷方面に上がる「紀伊(きの)国坂(くにざか)」が名の由来とされています。江戸の頃は坂の上を赤根山と呼び、その山頂に向かう坂であることから「赤坂」と称されていたようです。それが紀伊国坂となったのは、その脇に江戸幕府8代将軍徳川吉宗らを輩出した紀州徳川家の屋敷が置かれていたから。中屋敷があった地は現在「元赤坂」とされ、「赤坂御用地」と「迎賓館赤坂離宮」の敷地が広がっています。また、「豊川稲荷東京別院」は名奉行とうたわれた大岡(おおおか)越前(えちぜん)(のかみ)忠相(ただすけ)が地元の三河国(現・愛知県)から勧請(かんじょう)したのが始まりで、1887(明治20)年に元赤坂に移転。吉宗の命で建立された社殿が今も残る赤坂6丁目の「赤坂氷川神社」は赤坂エリアの鎮守です。

赤根山に通じる坂として地名の由来となった「紀伊国坂」

大名屋敷と武家屋敷が並んでいた赤坂は、明治に入ると陸軍用地や政治家など要人の邸宅に利用されました。その一つが長州藩毛利家の下屋敷跡地です。明治時代に陸軍駐屯地となり、その後は防衛庁本庁が置かれました。防衛庁移転後は再開発が行われ、2007年に「東京ミッドタウン」がオープン。「ザ・リッツ・カールトン東京」や「サントリー美術館」、オフィス、商業施設、住宅などが入る大型複合施設で、隣には毛利家下屋敷の庭園跡地を活用した「(ひのき)(ちょう)公園」があり、地元住民や観光客の憩いの場となっています。

「東京ミッドタウン」

広島藩浅野家の屋敷跡も陸軍用地等を経て、2008年に「赤坂サカス」が開業。「TBS放送センター」をはじめ、博報堂などの企業が入るオフィスビル「赤坂Bizタワー」、劇場、商業施設からなる大型複合施設は赤坂エリアのランドマークです。

「赤坂サカス」

また、牛久藩山口家の屋敷跡は現在「アメリカ合衆国大使館」に。「カナダ大使館」が建つのは内閣総理大臣などを歴任した高橋是清の邸宅跡地で、隣には緑豊かな「高橋是清翁記念公園」が広がっています。幕末~明治の政治家・勝海舟が晩年を過ごした邸宅の跡地には「勝海舟・坂本龍馬師弟像」が、明治の陸軍大将・乃木(のぎ)(まれ)(すけ)の邸宅跡には乃木夫妻を祀る「乃木神社」があり、往時の風情を求めて訪れる人も少なくありません。

政治家や芸能人が集う商業地として活性化

赤坂が商業地として発展するのも明治以降のこと。陸軍施設が点在し、隣接する永田町に国会議事堂など政府関連施設が集積したことから花街(かがい)が生まれ、「政界の奥座敷」として賑わいます。さらに1955(昭和30)年にTBSが赤坂でテレビ本放送を開始するとメディア関係者の往来も増えて、飲食店が軒を連ねるようになりました。現在も加賀料理の「赤坂浅田」や京都の老舗「赤坂 菊乃井」などの料亭、小説家・久保田万太郎の作品に登場する鰻処(うなぎどころ)「重箱」などの名店が点在しています。

老舗が多いのが和菓子やお茶の店です。筆頭は室町時代後期創業の「虎屋」で、1879(明治12)年に赤坂で店を構え、現在の店舗には喫茶やギャラリーも併設。1899(明治32)年から赤坂で店を開く和菓子屋「赤坂青野」は米アップルの共同創業者スティーブ・ジョブズ氏が愛したことで知られています。あんみつの名店「赤坂 相模屋」や、甘味処を併設したお茶の専門店「赤坂銘茶 土橋園」も明治の創業。ショッピングや歴史散策の後に一息ついたり、テイクアウトしたりするのにおすすめです。

町の活性化にともなって地下鉄を中心とした交通網も発達しました。赤坂サカス直結の千代田背線赤坂駅に加えて、銀座線・丸ノ内線が通る赤坂見附駅は有楽町線・半蔵門線・南北線が乗り入れる永田町駅と地下通路で接続。銀座線・南北線の溜池山王駅と千代田線・丸ノ内線の国会議事堂前駅も地下通路でつながっています。また、東京ミッドタウンは日比谷線と都営大江戸線が通る六本木駅に直結。都内各所へのアクセスが便利な赤坂エリアには「鹿島建設」や「コマツ(小松製作所)」など大手企業がオフィスを構えるほか、「パークコート赤坂檜町ザタワー」(319戸)、「赤坂タワーレジデンス Top of the Hill」(521戸)などのタワーマンションも点在しています。

新たな大規模再開発でエンターテインメントの拠点となる赤坂

文化を大切にしながら再開発を重ねて発展してきた赤坂エリア。2017年にはエリア東端の赤坂1丁目に地上38階地下3階建ての複合ビル「赤坂インターシティAIR」が竣工しています。同1丁目はホテルや外資系企業が入る「アークヒルズ」も建つ国際色豊かなエリアです。その向かいに建設中なのが多様な文化の交流をコンセプトに掲げる「東京ワールドゲート赤坂」です。オフィスやホテル、商業施設、歴史文化発信施設が入る地上43階地下3階建ての複合施設で、2024年8月に一部開業予定です(すべての竣工は2025年10月予定)。東京ワールドゲート赤坂が建てられる赤坂2丁目には地上28階地下3階建ての高層ビル「(仮称)赤坂二丁目計画」も2024年6月に竣工予定。いずれも溜池山王駅と地下通路で直結しています。

赤坂駅そばの国際新赤坂ビル跡地でも大規模再開発「赤坂二・六丁目地区開発計画」が進行中です。地上40階地下4階建ておよび地上19階地下3階建ての2棟のビルからなる施設で、オフィスや店舗のほか、ホテル、劇場も設置。向かいの赤坂サカスと連携したエンターテインメントの拠点として2028年の完成を目指しています。また地上26階地下2階のオフィスとホテルからなる複合施設「(仮称)元赤坂一丁目計画」も2025年2月完成予定です。

タワーマンションの建設でさらに注目なのは地上46階地下1階建て約640戸の「赤坂七丁目2番地区第一種市街地再開発事業」。隣に高橋是清翁記念公園があり、赤坂御用地も目の前という好立地で2027年の竣工で計画が進んでいます。VORTから眺める赤坂の街並みはさらなる進化を楽しませてくれることでしょう。

[編集]株式会社ボルテックス ブランドマネジメント課
[制作協力]株式会社東洋経済新報社

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