できるビジネスマンは知っている!「マネジメント」すべき4つの経営資源と「7Sフレームワーク」

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※百計オンラインの過去記事(2015/06/20公開)より転載

「マネジメント」の意味とは?

ビジネスシーンでは、「マネジメント」という言葉がよく使われます。組織を管理・運営することだとは分かっていても、具体的に何をどのようにマネジメントし、組織をよい方向へ向かわせていけばよいのか迷うという方も多いのではないでしょうか。この記事では、マネジメントの正しい意味や対象、構造、ポイントを解説するとともに、組織分析の代表的な手法である「7Sフレームワーク」を紹介します。

マネジメントの対象は4つの経営資源

マネジメントの意味は、経営・管理であり、目標・目的を設定し、それを達成するために何が必要かの情報収集や分析を行い、成功に向けての具体的な施策を行うことです。しかしこれでは、今一つ分かりにくいという方も多いはずです。さらに噛み砕いて言うと、マネジメントとは組織を円滑に運営するための舵取りをするということです。

組織、特に企業経営のマネジメントは、基本的に4つの経営資源を対象としています。それは「人材」、「物資」、「経理・資産」、「情報」、いわゆる「ヒト、モノ、カネ、情報」です。実際にマネジメントを行う場合は、まずこの4つに分けて考えていくことが大切です。

1つめは人材=ヒトのマネジメントです。それぞれのスタッフが、自分の能力を十分に発揮できるよう、スキル、適性、キャリアなどを踏まえ、適材適所に人を配置します。また、コミュニケーションや人間関係が円滑になるよう環境を整備することが、人材マネジメントの肝となります。

新たな人材発掘や人材育成も重要なマネジメントと言えるでしょう。スタッフ一人ひとりが自社で長期的なキャリアプラン、キャリアパスを描けるよう、人事制度や教育制度を整えることも1つの手段です。

労務管理は、賃金や労働時間だけでなく、企業内の労働環境のマネジメントです。人材不足が懸念されるこれからの日本では、多様性を尊重するとともに、出産・育児・介護・病気など、スタッフがさまざまなライフイベント・ライフステージを迎えても働き続けられる環境を整備し、労働力を確保することが肝要です。就業規則や福利厚生を整えるだけでなく、積極的に情報発信して社内に浸透させ、制度等を利用しやすい雰囲気を醸成し、働きやすさを実現してスタッフの満足度を向上させることも大切です。

2つめは物資=モノのマネジメントです。設備投資やシステム面での整備が中心となります。いかに効率を高めるかという点を考え、必要なものと不必要なものを見極め、生産性を高めていかなくてはなりません。製造業のモノのマネジメントには、広く調達・生産・納期・販売・品質の管理なども含まれます。

モノのマネジメントとして重視されるアプローチに、「5S」があります。5Sとは、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」の頭文字をとったものです。

整理:必要なものと不要なものを分け、不要なものを捨てること
整頓:必要なものを所定の場所に置き表示すること
清掃:掃除して汚れやゴミを取り除くこと
清潔:「整理」「整頓」「清掃」を繰り返し、きれいで使いやすい状態を維持すること
しつけ:「整理」「整頓」「清掃」「清潔」を継続できるように、教育やルール化を行い、習慣化すること

5Sは、主に製造業やサービス業で発展してきた活動ですが、職場環境を整えてミスや無駄を減らし、業務効率化を期待できることから、多くの企業で採用されています。

3つめは経理・資産=カネのマネジメントです。
資金調達のほか、営業活動や設備の維持・更新にかかる費用、ヒトの管理にかかるコストの管理、貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書など決算書類の作成、それらに基づく財務分析を行い、収益や費用、費用対効果が妥当であるかを管理します。
また、現在では株や不動産といった資産の管理・運用も重要です。短期的な収支の視点だけでなく、中長期的な資産運用の視点が必要です。

4つめは情報のマネジメントです。インターネットの普及やIT化の進展によって、情報の重要性は非常に大きくなりました。顧客ニーズの分析、個人情報の管理、株価や経済ニュース、業界の動きの把握、さらにはセキュリティの強化など、非常に多岐に渡る管理が求められます。
なお、情報を扱うのはあくまでもヒトであることから、スタッフの情報リテラシーを高める必要があります。個人情報や機密情報の取扱の管理規定を策定し、研修などを通してスタッフの意識を高めることも、重要なマネジメントと言えます。

以上の4つの対象に分けて考えていけば、やるべきことも整理がつきやすいのではないでしょうか。マネジメントの第一歩は、こうした整理を通して組織全体を客観視することから始まるとも言えます。4つの資源のそれぞれどこを活かし、どこを改善すべきかを考えていきましょう。

マッキンゼーの「7Sフレームワーク」

マネジメントについてさらに細かくみていきましょう。マッキンゼー社が提唱した「7Sフレームワーク」というマネジメントの考え方があります。これは、組織に必要な要素を7つのSに分け、どうマネジメントしていくかを分析したものです。

7Sは、「Structure(組織構造)」、「System(システム)」、「Strategy(戦略)」というハード面の3Sと、「Skill(能力)」、「Staff(人材)」、「Style(社風・スタイル)」、「Shared value(共通価値観)」というソフト面の4Sに分類されます。

ハード面の3Sである、「Structure(組織構造)」、「System(システム)」、「Strategy(戦略)」は、経営者などマネジメントする人間がコントロールしやすく、比較的短期間で変更が可能なものです。変更可能な順番は、戦略、組織構造、システムです。戦略を立て、それに沿った形に部署の新設や統廃合など組織構造を変更し、新しい組織構造に合わせて社内システムを再構築するという流れです。

一方、ソフト面の4Sである、「Skill(能力)」、「Staff(人材)」、「Style(社風・スタイル)」、「Shared value(共通価値観)」は、コントロールが難しく、簡単には変えることができません。長期的に時間をかけて、スキル、人材、社風、共通価値観の順番で変化させていかなくてはなりません。まず、必要なスキルの定着、同時に人材育成が必要です。そして、スキルを持った人材が育つことで、社風・スタイルが変わり、企業全体の共通価値観へと発展していきます。

マネジメントの際には、まずハードの3Sを整え、続いて中長期的な計画でソフトの4Sを改革していくことが大切です。

小さなチームでもマネジメントは重要

アメリカの経営学者、チェスター・バーナードは、組織が成立するための3要素として「貢献意欲」「共通目的」「コミュニケーション」をあげ、いずれもが一定水準に達している必要があるとしています。

組織マネジメントというと、大企業の経営者など巨大な組織のトップが行うことのようですが、ヒトが2人以上集まればそれは組織であり、小さなチームであっても、マネジメントの知識やノウハウがあるかどうかで成果は大きく変わってきます。

対象である4つの経営資源のマネジメントに関する知識を深め、マッキンゼーの「7Sフレームワーク」を参考に、今自分が管理・運営している組織に落とし込んで実践してみてください。

著者

株式会社ボルテックス 100年企業戦略研究所

1社でも多くの100年企業を創出するために。
ボルテックスのシンクタンク『100年企業戦略研究所』は、長寿企業の事業継続性に関する
調査・分析をはじめ、「東京」の強みやその将来性について独自の研究を続けています。

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