財務管理が成功している企業に共通する5つのポイント

※百計オンラインの過去記事(2015/07/05公開)より転載

企業経営において必要な経営資源は、ヒト、モノ、カネ、情報の4つだと言われています。このような経営資源のバランスに目を配りながら、企業は継続的な成長を目指していくのです。成功している企業は経営資源の管理に長けており、中でも、ヒト、モノ、情報を調達するために最初に必要となるのが「資金」であるため、財務管理の良し悪しによって経営の安定度が異なってくるのです。

財務管理に長けた企業は経営が安定し、安心かつ余裕をもって成長への投資を続けています。成長している企業が行う財務管理の共通点をみてみましょう。

スピーディーな月次管理体制の構築

まずは、月次管理体制の構築が必須です。月次決算をしている会社は多数ありますが、月末で締めてから月次決算数字が出るまでに日数を要する会社も多いのです。中には、月の後半になってようやく前月の月次決算が完成する会社もあります。これでは何のために月次決算を行っているのかわかりません。

月次決算は締めて終わりではなく、月次で締めた数字をもとに、その変化や改善点を議論することが重要です。そのためには、可能な限りスピーディーな月次管理体制を構築することが必要ですが、経理部門の努力だけでは難しいのも事実で、多くの部門を巻き込み月次決算の早期化を図るには、経営陣によるトップダウンが必要となってくるのです。

経営指標での管理

成功している企業は、月次決算が順調に行われ、経営指標による管理もうまくできています。

単に「売上高」や「利益」といった経営指標ではなく、単価と数量、市場規模と自社シェアといったように、より細分化して分析することが得意であることも特徴です。

また、一般的な経営指標であるROEだけではなく、例えば「社員ひとりあたりの見込み顧客への電話回数」のように、シンプルで現場が意識しやすい指標に落とし込んでいる会社も多くあります。

日々の行動が、財務が重視する経営指標にどのように結びつくかを考えて、自社独自の経営指標を定めることが必要です。

適切な資金予想

過去の数字をとりまとめることが財務管理だと思いがちですが、それだけが財務管理ではありません。必要な設備投資を適切な時期に行い会社をより成長させるためには、資金の増減を「予想」する必要があります。

「予想」がうまくできない会社は財務管理も後手に回り、財務管理を活用するというより財務管理に振り回されてしまうことになります。月次決算まで待たないと資金がいくらあるかわからないようでは本末転倒です。

今後の会社の成長は、過去の集計が得意な経理部門よりも、予想や予測を得意とする経理部門の育成にかかっているといえます。

適切なリスク管理

財務管理をするには、可能な限り「数字」に落とし込む意識が必要です。大規模な設備投資や、企業買収をするときには、成功したときの絵を思い浮かべるだけではなく、失敗した場合のリスクヘッジに関する分析力が必要となります。

優秀な経理部門は、経営陣の判断材料となるよう、リスクを「数字」に落とし込んだ提案が可能です。「数字」で語るという意識づけが成功の分かれ目ともいえるでしょう。

内部統制の確立

最後に、財務管理上重要なのが「内部統制」の確立です。内部統制とは、適度な緊張感の下、相互にチェックし合い牽制することで不正を未然に減らそうという仕組みのことです。たとえば、営業部門は自身の成績をよく見せようと、受注が決まっていない状態で数字をあげてくる可能性もあります。これを防ごうというものです。

不正がまかり通るようであれば、財務管理どころではありません。豊富にあるはずの資金が、実際はほとんどなかったというようなことにもなりかねません。そうならないためにも、しっかりと内部統制を確立したいものです。

上述のとおり、財務管理は成長への手法というよりは「守り」の部分が多いため、財務管理を強化することに消極的な企業も多いのですが、守りなくして攻めることはできません。

守りである財務管理がしっかりとできているかどうか、一度チェックしてみることも必要ではないでしょうか。

著者

株式会社ボルテックス 100年企業戦略研究所

1社でも多くの100年企業を創出するために。
ボルテックスのシンクタンク『100年企業戦略研究所』は、長寿企業の事業継続性に関する
調査・分析をはじめ、「東京」の強みやその将来性について独自の研究を続けています。

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